豊島の家 14〜戸建住宅の工事の流れ・配管工事・建築設備工事・ダクト・電気配線〜|東京の建築設計から

前回は「豊島の家 13〜戸建住宅の工事現場・壁断熱工事・FRP防水・ロックウール〜」の話でした。

目次

配管工事:建築設備工事

豊島の家:配管工事(新建築紀行)

今回は、配管・配線工事です。

建築設備工事と呼ばれる分野で、構造と共に非常に重要な工事です。

キッチンや洗面台で水が出てくるためには、上水をつなぐ必要があります。

トイレから排水を流すためには、排水管を繋いで、下水道に流す必要があります。

上水・下水共に大事ですが、配管を設計する際には、下水の方により注意します。

それは、下水管の方が管の直径が太く、流すためには「勾配を取る必要がある」ためです。

上水は上水管に水圧がかかっており、その圧力で水栓から水が出ます。

下水は流す際に多少力がかかりますが、必要な勾配が取れていないと、うまく流れません。

そこで、木造戸建住宅の場合は、下水管の勾配がきちんと取れるように、下水管からのルートをしっかり検討します。

トイレの配管

豊島の家:配管工事(新建築紀行)

今回は、2階にもトイレがあり、排水管は天井裏に通します。

排水管などは出来るだけ横引きは避け、真下に通すことが大事です。

横引きの距離が長いと、漏水などの事故が起こりやすいからです。

今回は、プラン上、多少横引きする必要がありますが、距離を短くするように配慮しました。

配管を外壁側に出した方が、工事としては安心です。

「箱の建築」というコンセプトと
デザインを守りたい。

そのため、出来るだけ配管は壁の内部やPS(Pipe Shaft)を作って、外観を美しくします。

豊島の家:模型(新建築紀行)

ダクト・電気配線

豊島の家:配管工事(新建築紀行)

そして、ダクト・電気配線工事も並行して行います。

キッチンのフード、換気扇などは「ダクト」と呼ばれる配管を通して、空気が流れます。

このダクトは天井裏を通ることが多いので、梁との関係をしっかり考える必要があります。

豊島の家:配線工事(新建築紀行)

電気の配線は細く、勾配なども考える必要がないので、木造住宅では、それほど設計の際に考慮する必要がありません。

ただし、コンセントの位置などは非常に重要なので、現場で改めて建主にも確認します。

コンセントは、
ここが使いやすいと思います。

そうですね。

ここにも、コンセント追加して
頂けるかしら。

承知しました。

コンセントの配置にも設計・デザイン上の配慮が必要です。

「どこに、いくつくらい欲しい」というのは、建主の考えもありますので、工事中の変更にもご対応します。

たくさん追加となると、追加工事費が必要になることがあります。

多少の追加であれば、工事会社にサービスで対応していただくこともあります。

豊島の家は、準耐火建築なので、コンセントボックスも鉄製である必要があります。

少しコストがかかりますが、法規制はしっかり守り、丁寧に施工してゆきます。

次回は、縦胴縁の話です。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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