前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:屋根のFRP防水仕上げ〜断熱工事・分厚いロックウールで高い施工性と断熱性能〜」の話でした。
建築設備工事と配管工事
今回は、配管・配線工事の話です。
建築設備工事と呼ばれる分野で、構造と共に非常に重要な工事です。
キッチンや洗面台で水が出てくるためには、上水をつなぐ必要があります。
トイレから排水を流すためには、排水管を繋いで、下水道に流す必要があります。
上水・下水共に大事ですが、配管を設計する際には、下水の方により注意します。
それは、下水管の方が管の直径が太く、流すためには「勾配を取る必要がある」ためです。
上水は上水管に水圧がかかっており、その圧力で水栓から水が出ます。
下水は流す際に多少力がかかりますが、必要な勾配が取れていないと、うまく流れません。
そこで、配管の設計では、下水管の勾配がきちんと取れるように、
下水管からのルートを
しっかり検討します。
トイレの配管とPS
今回は、2階にもトイレがあり、排水管は天井裏に通します。
排水管などは出来るだけ横引きは避け、真下に通すことが大事です。
横引きの距離が長いと、漏水などの事故が起こりやすいからです。
今回はプラン上、多少横引きする必要がありますが、距離を短くするように配慮しました。
配管を外壁側に出した方が、工事としては安心です。
「箱の建築」というコンセプトと
デザインを守りたい。
そのため、出来るだけ配管は壁の内部やPS(Pipe Shaft)を作って、外観を美しくします。
建築内の下水・排水は公共下水管に流されて、下水処理センターで浄化されます。
下水道を体験できる「小平ふれあい下水道館」の話を、上記リンクでご紹介しました。
ダクトと電気配線:大事なコンセント設置位置
そして、ダクト・電気配線工事も並行して行います。
キッチンのフード、換気扇などは「ダクト」と呼ばれる配管を通して、空気が流れます。
このダクトは天井裏を通ることが多いので、梁との関係をしっかり考える必要があります。
電気の配線は細く、勾配なども考える必要がないので、配管・ダクトと比較すると楽です。
木造住宅では、それほど設計の際に考慮する必要がありません。
ただし、コンセントの位置などは非常に重要なので、現場で改めて建主にも確認します。
コンセントは、
ここが使いやすいと思います。
確かに
ここにあれば便利ですね・・・
ここにも、コンセント追加して
頂けるかしら・・・
承知しました。
追加します。
コンセントの配置にも設計・デザイン上の配慮が必要です。
「どこに、いくつくらい欲しい」というのは、建主の考えもあります。
工事中の変更にも
ご対応します。
たくさん追加となると、追加工事費が必要になることがあります。
追加工事の要望と費用に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
多少の追加であれば、工事会社にサービスで対応していただくこともあります。
豊島の家は、準耐火建築なので、コンセントボックスも鉄製である必要があります。
少しコストがかかりますが、法規制はしっかり守り、丁寧に施工してゆきます。
次回は、縦胴縁の話です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。