前回は「子どもも大人も楽しめる川崎水族館「カワスイ」〜川崎駅前の素晴らしい「体験型水族館」・様々な魚やカメたちとの出会い・子どもの好奇心を喚起する展示・圧巻の体験・カピバラに直接触れて餌をあげる〜」の話でした。
下水道施設親子見学ツアー・小平ふれあい下水道館
先日、東京都主催の「下水道施設親子見学ツアー」に子どもと一緒に参加しました。
3つの下水道に関する施設を周り、最後は東京湾をクルーズする「下水道施設親子見学ツアー」。
丸一日がかりの体験で、最初は小平市からバスでお台場・有明に移動して、最後はクルーズで浅草へ。
東京を横断する密度の高いツアーで、
子どもバスに乗って
色々と移動するのは、初めて！
まだ小学校3年生の子どもは、「電車に乗った遠足」は経験ありますが、「バスに乗って遠足」はないみたいです。
筆者も「大勢の方と一緒にバスで移動する」ツアーは久しぶりでした。
Yoshitaka Uchino小学校の社会科見学を
思い出しました。
このツアーは「倍率が5〜6倍くらい」の人気ツアーらしく、当選したのは運がよかったです。
建築設計をしていると、上下水の配管の設備設計も大事です。
多くの社会人の方々と比較して、「比較的、下水道と身近な仕事」をしている僕。
Yoshitaka Uchino図面で上下水道に関する記載をしますが、
なかなか現場で下水を見る機会は少ないです。
建物からは、様々な排水管が出てゆき、公設桝を経て下水道本管と接続します。
マンション・集合住宅の設計において、配管の設計・シャフトとの接続は大事です。
床下に配管するため、「配管の勾配」が適切に取れることが必要で、
Yoshitaka Uchinoしっかりと勾配を含めた
配管の設計をします。
工事現場でも、上水・排水・電気などの配管をチェックしますが、下水とは「接点が少ない」のが現実です。
Yoshitaka Uchino下水道館かあ・・・
面白そうだな・・・
子どものために「親が同行」するのですが、筆者自身も楽しみで参加しました。
下水道の現実と歴史を体験：下水と都市と生活
地上1階〜地下5階に展示空間がある、小平ふれあい下水道館。
天井高の違いがありますが、非常に大規模な博物館である上野の科学博物館でも地下は3階までです。
Yoshitaka Uchino地下5階まで
展示室がある博物館は、珍しい・・・
地下に展示室を配置すると、地上の建物のボリュームが小さくなるメリットがあります。
建築のボリュームデザインがしやすい「地下の有効活用」は、大きなポイントでありますが、
Yoshitaka Uchino地下5階まで
工事する場合、工事コストが高そうだけど・・・
地下は、地上に比べて工事費用が非常に高額になります。
地下工事は土の掘削などの手間がかかり、土圧に抵抗する頑丈な構造が必要です。
そして、地上とは異なり、基本的に空気が少ないため、空気を回す設備機器が必要です。
この「地下5階まで展示室がある」のは大きな理由があり、それは下の方でお話しします。
明治時代になって、下水道整備を急いだ明治新政府。
実は江戸時代は、「世界に稀に見るエコな都市」だった日本の江戸などの都市・街。
「エコであった」理由は、昔から「糞尿を集めて肥料にする」システムがあったからでした。
そして、江戸時代から「上水」を引くことを着実に成し遂げてきた日本の都市を訪れた外国の方の中には、
欧米人PJapanでは、糞尿を大切に保存し、
土壌を富ます役に立てる・・・
欧米人P我が国（米国）では、下水が入江や
湾に流れ、非常に不潔だが、Edoは清潔だ！
このように「江戸を大絶賛」した方もいました。
それほど「清潔だった江戸などの大都市」ですが、明治以降は下水道の整備が急務となりました。
下水道の未整備は「不潔な環境」に直結し、コレラなどが蔓延し、神田下水などが整備されました。
各家庭やビルから集められた下水は、下水管を通じて下水センターへ集められます。
公共道路の下部などにある下水道ですが、勾配を取る（斜めにする）必要があります。
そのため、どんどん地下深くなってしまう下水管は、適宜ポンプ場でポンプアップされます。
集められた下水は「第一沈殿池」で、ゴミを除去し、反応タンクで微生物たちが汚泥を分解します。
そして、ある程度綺麗になった後に、第二沈殿池でさらにゴミを除去します。
最後に、消毒して「魚が住める水」にした上で、川や湾に放流するのです。
子どもトイレの水とか
こうやってきれいにしているんだね！
不思議そうにしている子どもですが、
Yoshitaka Uchino下水のシステムはこうだったのか・・・
初めて知った！
初めて知った「下水の現実」に、大いに学びました。
本物の下水道館に入る体験：便利な生活の裏側を知る体験
地上2階、地下5階の「非常に地下空間が広い」このふれあい下水道館。
その理由は、模型を見ると分かります。
地下空間だけ見てみると、地下5階から「太い下水管に行ける」ようになっています。
なんと、「本物の下水道館の中に入れる」のが、小平ふれあい下水道館の「最大のポイント」です。
小平ふれあい下水道館が、地下5階建であるの理由。
それは、「地下の下水管に到達できるようにするために、地下深く建物を作った」のでした。
小平ふれあい下水道館後で、皆さんに
本物の下水管に入って頂きます！
下水道館の方から説明があった際は、
本物の下水道管に使われている
管が展示されていて、「中に入れる」のかな？
「管の中を覗く」くらいに思っていましたが、実は「本物の下水道管に入る」体験でした。
つまり、「本物の下水が流れている」近くに行って実体験することになります。
小平ふれあい下水道館現在、小平市で使用している
本物の下水道管で、下水が流れています。
これを聞いた時は、さすがに
Yoshitaka Uchinoえっ？
本物の下水道管？
驚きながら、ややびっくりもしましたが、
Yoshitaka Uchinoこれは、初めてで、
滅多にない経験だから、いいかも。
「滅多にない経験」を、楽しみに思いました。
いよいよ、「体験コーナー」という「本物の下水道管の中」へと突入します。
「下水らしい臭い」が強烈にしてきました。
Yoshitaka Uchinoこれは、結構な
臭いだな・・・
子どもねえ、
とっても臭いんだけど・・・
子どもは少し顔をしかめながら、一緒に進みました。
そして、「本物の下水道管」の中に入りました。
この下水管は「直径がかなり大きい、大型の下水道管」です。
すぐ下を「本物の下水が流れている」体験で、臭いもかなりすごいです。
Yoshitaka Uchinoちょっとすごい臭いだけど、
この下水のおかげで、建築が出来ているんだ・・・
「不潔」と考えられる下水ですが、下水道管があるからこそ「便利な生活」が成り立っています。
いわば、「便利な生活の裏側」である下水道を実際に体験できた貴重な機会でした。
博物館では様々な展示を見て学べますが、
Yoshitaka Uchino本物を五感で体験できる
貴重な機会です。
ぜひ、子どもと一緒に訪れてみてください。
「下水道施設親子見学ツアー」の続きは、別の機会にご紹介します。
次回は上記リンクです。
