戸建住宅の工事現場のプロセス:木が呼吸する通路を生み出す通気工法〜様々な材料が重なるパラペット・防水の取り合い部〜|豊島の家15・東京の建築設計から

前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:建築設備工事と配管工事〜トイレの配管とPS・ダクトと電気配線・大事なコンセント設置位置〜」の話でした。

目次

木が呼吸する通路を生み出す通気工法

豊島の家:外壁胴縁工事(新建築紀行)

しっかりと防水工事を行ったら、木造で大事な通気工法の工事です。

「気密性を高める」ことが近年、非常に推奨されています。

「気密性」とは、建物の内外を分ける外壁が「空気を通す性質」の程度です。

昔の日本の木造住宅は、気密性が非常に低かったのです。

Yoshitaka Uchino

この「気密性の低さ」は、
昔ながらの日本の木造住宅の特徴です。

気密性が低いと、外の空気が中に入ってきやすくなり、暖冷房の効果が非常に落ちます。

省エネもあり、気密性を高める必要があります。

一方で、木造建築は鉄筋コンクリートなどと異なり、「息をしている木」を扱います。

そのため、立てた後にも「木が適度に呼吸できるように」施工する必要があります。

豊島の家:外壁胴縁工事(新建築紀行)

外壁材の上に防水シートを貼って、その上から「隙間なく外壁材を貼る」と、どうなるでしょうか。

適切に施工すれば、気密性は保たれますが、空気の流れが全くなくなってしまいます。

空気の流れがなくなると、湿気などが発生した時に、その湿気の逃げ道がなくなってしまいます。

それは、木造建築にとっては、非常に大きな問題です。

そこで「胴縁」と呼ばれる、厚さ18mm程度の木材を縦か横に貼って「意図的に隙間を作る」のです。

Yoshitaka Uchino

空気の流れを
生み出します。

今回は、縦胴縁で施工しました。

茨城の家でも、縦胴縁で施工しました。(上記リンク)

豊島の家:外壁胴縁工事(新建築紀行)

縦胴縁は、基礎の水切り間際まで、しっかり施工します。

そして、基礎と水切りの間の隙間から、空気が入って、外壁材と透湿防水シートの間を流れてゆきます。

様々な材料が重なるパラペット:防水の取り合い部

豊島の家:外壁胴縁工事(新建築紀行)

防水シートの施工同様、天端のパラペットの部分は、丁寧な施工が求められます。

笠木を設置するパラペット部分は、いくつかの材料が組み合わさります。

そういう「材料が重なる部分」が、防水の重要な部分になります。

「重なる部分」には、隙間ができやすいからです。

豊島の家の工事では、こういう「取り合い部分」が非常に丁寧に施工されています。

Yoshitaka Uchino

技量の高い工務店だったので、
工事監理が順調でした。

しっかりと、材料同士が組み合わさって、しっかり防水されるように施工されています。

次回は、内部の断熱工事です。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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