前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:建築設備工事と配管工事〜トイレの配管とPS・ダクトと電気配線・大事なコンセント設置位置〜」の話でした。
木が呼吸する通路を生み出す通気工法
しっかりと防水工事を行ったら、木造で大事な通気工法の工事です。
「気密性を高める」ことが近年、非常に推奨されています。
「気密性」とは、建物の内外を分ける外壁が「空気を通す性質」の程度です。
昔の日本の木造住宅は、気密性が非常に低かったのです。
気密性が低いと、外の空気が中に入ってきやすくなり、暖冷房の効果が非常に落ちます。
省エネもあり、気密性を高める必要があります。
一方で、木造建築は、鉄筋コンクリートなどと異なり、「息をしている木」を扱います。
そのため、立てた後にも「木が適度に呼吸できるように」施工する必要があります。
外壁材の上に防水シートを貼って、その上から「隙間なく、ドンと外壁材を貼る」と、どうなるでしょうか。
適切に施工すれば、気密性は保たれますが、空気の流れが全くなくなってしまいます。
空気の流れがなくなると、湿気などが発生した時に、その湿気の逃げ道がなくなってしまいます。
それは、木造建築にとっては、非常に大きな問題です。
そこで「胴縁」と呼ばれる、厚さ18mm程度の木材を縦か横に貼って「意図的に隙間を作る」のです。
今回は、縦胴縁です。
茨城の家でも、縦胴縁で施工しました。(上記リンク)
縦胴縁は、基礎の水切り間際まで、しっかり施工します。
そして、基礎と水切りの間の隙間から、空気が入って、外壁材と透湿防水シートの間を流れてゆきます。
様々な材料が重なるパラペット:防水の取り合い部
防水シートの施工同様、天端のパラペットの部分は、丁寧な施工が求められます。
笠木を設置するパラペット部分は、いくつかの材料が組み合わさります。
そういう「材料が重なる部分」が、防水の重要な部分になります。
「重なる部分」には、隙間ができやすいからです。
豊島の家の工事では、こういう「取り合い部分」が非常に丁寧に施工されています。
技量の高い工務店だったので、
工事監理が順調でした。
しっかりと、材料同士が組み合わさって、しっかり防水されるように施工されています。
次回は、内部の断熱工事です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。