幼稚園リノベーションのポイント①〜リノベーション設計のはじまり・工事のスケジュール・タイミング・みそら幼稚園〜|東京の建築設計

前回は「自然の光とリビング・木のテラス・開放的な広場〜あたたかな住まい・豊島の家〜」の話でした。

目次

幼稚園のリノベーションの始まり

みそら幼稚園:2階廊下(新建築紀行)

今回は、私たちがリノベーションの設計・監理をご依頼頂いた「みそら幼稚園」の話です。

プロジェクトの「はじまりの話」を、ご紹介します。

幼稚園等の大きな施設等の建物を新築・リノベーションする際、

どのような流れで、
設計者が関わってゆくの?

と、疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。

私たちが設計した「みそら幼稚園のリノベーション」計画で、具体的にご紹介します。

最初の連絡と現地調査

みそら幼稚園:リノベーション前(新建築紀行)

みそら幼稚園のはじまりは、園長先生からのご連絡でした。

園舎の耐震改修と
リノベーションを考えています。

そこで、具体的な設計や
工事に関して、相談したいのです。

と、ご連絡頂きました。

そこで、まず私たちが「みそら幼稚園」へ伺いました。

こんにちは!
まずは、ご要望等をお聞かせください。

そして、園長先生や現場の先生方からお話を聞きました。

みそら幼稚園:リノベーション前(新建築紀行)

まず大事なことは、ご要望・ご予算・予定するスケジュール(工事時期)です。

これらを詳細を伺った上で、計画の方向をご提案してゆきます。

ご要望・ご予算も大事ですが、「いつ頃までに幼稚園にリノベーションするか」が最も大事です。

耐震診断をしたら、
非常に数字が悪かったです・・・

東日本大震災の時も、
とても揺れて、大変でした・・・

また地震が来るかもしれないので、
園児たちのために、一日も早く地震に強い建物にして欲しいです。

承知しました。
私たちも出来るだけ早く設計をまとめます。

大事な工事のスケジュール・タイミング

みそら幼稚園:リノベーション前(新建築紀行)

具体的な工事の
タイミングは、いつ頃をお考えですか?

「出来るだけ早く完成させたい」というご要望をいただくことが多い建築。

完成のタイミングのご要望は様々なですが、特に幼稚園などの施設の場合は、スケジュールが大事です。

集合住宅・マンションなどの新築は「更地に建築」するので、工事の融通がききます。

対して、幼稚園等は「実際に現在運営している」ため、工事期間・状況が限られます。

園を運営している間に工事は、
無理なので・・・

来年の夏休みの2ヶ月ほどの
間に、工事を全てやって頂きたいのですが・・・

「工事は夏休み期間のみ」というご要望です。

みそら幼稚園:躯体工事(新建築紀行)

子どもたちに危険が及ばない様に、園に子どもたちがいる時に
工事をするのは避けたいです。

工事って、
色々な粉塵なども出ますよね・・・

そういうものを園児たちが吸う様なことは、
絶対避けたいです。

工事って、やはり危険ですよね・・・
私たちとしては、園児たちを守ることが努めです。

こう園長先生は、ハッキリとおっしゃいました。

「同一敷地内で運営しながら工事」は、園児・子どもたちの安全を考えれば「あり得ない選択肢」です。

幼稚園:現地調査(新建築紀行)

道路挟んだ別計画地に「仮園舎」をつくって、工事をした経験があります。

このように、「工事エリアと園児が別の場所」であれば良いでしょう。

同一敷地において、工事をしている近くに園児がいる状況は、バリケード等では大変危険です。

園長先生のお気持ちを十分に尊重しながら、設計と工事のスケジュールを考えます。

内装等のリノベーションならば、突貫工事は比較的簡単です。

一方で、耐震補強を含む工事は「コンクリート躯体工事を含みます。

工事期間は、
夏休みの2ヶ月だけですね・・・

かなりタイトな
工事スケジュールですが、なんとか考えます。

夏休みの「お泊まり会」などの
イベントは、他の施設でやります。

また、多少夏休みの期間を
前後に伸ばすことは可能です。

来年の夏休みまで、半年あまり。

その間に「設計案をまとめる」ことは、十分可能ですが、同時に工事内容に関しても調整が必要です。

建主のイメージ

みそら幼稚園:リノベーション前(新建築紀行)

ご予算や時期などの「数字化できるご要望」も大事です。

それらのご要望と共に、園長先生たちの「リノベーションの思い・イメージ」をお聞きしました。

この建主の思い・イメージを、私たちが設計を
進めてゆく上で非常に大事にしています。

建主のイメージをお聞きした上で、
私たちのイメージを膨らませます。

建主の思いを胸に、私たちのイメージを抱きながら、現地調査を進めました。

戸建住宅の場合は、既存の図面がないこともよくあります。

幼稚園などの施設の場合は、詳細な設計図書が残っていることが、ほとんどのケースです。

そのため、既存建築の状況は図面で把握できることが多いです。

一方で、「現地調査から分かること」もたくさんあります。

先生方や園児たちが、
どのように園で過ごしているか、も大事です。

現地で、様々な方からお話をお聞きすることも、非常に大事なことです。

そして、その話から私たちはインスピレーションを得ることもあります。

次回は上記リンクです。

完成写真は、下記からご覧ください。

新建築紀行

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