前回は「幼稚園リノベーションのポイント①〜リノベーション設計のはじまり・工事のスケジュール・タイミング・みそら幼稚園〜」の話でした。
スケジュール確定と設計方針
園長先生から、
園を運営している間に工事は、
無理なので・・・
来年の夏休みの2ヶ月ほどの
間に、工事を全てやって頂きたいです。
というご要望を頂きました。
内装だけのリノベーションならば「2ヶ月」という工期は、それほど困難ではありません。
内装ならば、「突貫工事でなんとかなる」のですが、耐震補強・躯体工事含めて、「2ヶ月」は大きな困難があります。
・園児達の安全に少しでも影響がないようにしたい
・園児達が、工事の粉塵などを吸うリスクはなくしたい
大変困難なスケジュールですが、園長先生の園児への思いは、非常に大事です。
2ヶ月で工事、はとても
大変ですが・・・
設計サイドでも工夫して、
なんとかします!
それでは、
お願いします!
設計・デザインというと、基本的に「見栄え」や「かっこよさ」などが最優先される傾向があります。
私たちは、設計におけるコンセプトを非常に大事にしています。
工事の仕方・スケジュールに関しては、建設会社にお任せすることが多いですが、今回は、
工事スケジュールも含めた
設計を考えよう。
と、考えました。
「2ヶ月の工期」は非常に困難ですが、「子どもたちが周囲にいる状況での工事」よりは遥かに良い面があります。
そのように「幼稚園を運営しながらの工事」というのは、机上では成立しても、現場としては極めて難しいのが実情です。
いかに、設計・計画で「養生等を万全」としても、「園児に大きなリスクがある」ことは避けようがありません。
特に、2000年代以前建築の建物は、「使用された建材」にアスベスト等が含まれていることもあります。
この意味において、
非常に難しいけど、
園児たちの安全が守られているのがベスト!
と考えました。
園児たちの過ごし方
幼稚園のリノベーションの設計を進めるにあたり、まずは建主のご要望やイメージをお伺いします。
その上で、詳細な現地調査を行います。
幼稚園を現地調査している間には、ちょうど帰りの時間となった園児たちに会いました。
私たちが真剣な眼差しで、色々と調査しているのをみて、
何を
やっているんだろう?
と疑問に思った無邪気な園児たち。
ね〜ね〜、お姉さん、
何やってるの?
あのね、
みんなが使っている幼稚園の建物を調べているの。
ふ〜ん・・・
みんなの幼稚園が
綺麗で安全になるよ!
嬉しい!
このような会話をしながら、園児達が「どのように園で過ごしているのか」を観察・調査します。
リノベーションの場合、リノベーションの範囲・規模にもよりますが、「現行の建築の使われ方」は大事です。
子ども達の中には、
こんにちは!
と、元気に挨拶してきてくれる園児もいて、とても印象的です。
幼稚園の
現場と雰囲気を知ること・・・
それを設計を進める上で、
非常に大事にしています。
その後、具体的な設計に入ります。
園児たちの気持ち
ね〜ね〜、
あのね・・・
はい、
なあに?
園児が話しかけてきました。
ちょっと、お手洗いが
あまりきれいでないの・・・
きれいに
出来るかな・・・
幼稚園児の男の子、女の子共に、少しずつ成長して、お手洗いも気になる年頃です。
大丈夫!
お姉さんが、しっかりキレイにするからね!
やった〜!
この園児からの要望から、
このトイレは、
しっかり手を入れたいね。
一新して、
キレイで使いやすいお手洗いにしたいですね。
園児たちとの会話から、設計への手がかりがつかめてきました。
そして、園長先生たちと打ち合わせを重ねてゆきながら、ご要望に合う幼稚園を設計してゆきます。
さらに私たちが考える「新たな・みそら幼稚園」へと大きな変貌を遂げることを考えます。
打ち合わせの過程では、図面・模型・CGなどをお見せして、説明します。
そして、園長先生たちのご意見を伺います。
私たちとしては「建主のご要望を超える」設計を、
具現化したいと考えています。
そして、完成した時の建物をイメージしやすいように、ご説明します。
出来るだけ分かりやすい図面・資料と、完成度の高い模型・CGで、
このデザインは、〜という
コンセプトで、このようになります。
など、ご説明します。
打ち合わせを何度か行って、最終的な設計案が決定します。
そしてその後に、工事を担当する建設会社に見積もりを依頼します。
次回は上記リンクです。
完成写真は、下記からご覧ください。