新築リノベーション:デザインとコスト
新建築紀行では、実際の現場や設計に関わる話を書いてゆきます。
日々、集合住宅・個人邸・幼稚園などを設計・監理しています。
最初は最近増えてきた、個人邸のリノベーションのお話です。
リノベーションは
建築を再生させるという意味では、とてもやりがいがあります。
その一方で、実はリノベーションの設計は、新築の設計よりも大変なことが多いです。
設計する際に、今ある既存の建物をよく調査して、それを図面に復元する必要があります。
そのため、新築にあるような法律的な申請がなくても、業務の手間と時間が結構かかります。
そして、工事コストが、意外と高くかかることがあります。
丁寧に「内部や外部の一部を壊して、新たに作り、補修して・・・」が必要なリノベーション。
その部分で、大工さんの手間・時間が、意外にかかるため、コストアップになります。
新築と大して変わらない金額が、かかる場合もあります。
場合によっては、「新築以上のコストとなる」話を聞くこともあります。
私たちの設計は
「コンセプトを大事にしながら、合理的な設計」を心掛けています。
そして、合理的に工事費用・コストを削減しています。
最近は色々と分かってきたことが多いので、リノベーションの設計のコツが分かってきました。
そして、リノベーションのコスト管理もポイントが分かるようになりました。
コスト管理は、新築よりも難しい面が
あります。
「解体してみてびっくり」ということも、リノベーションではよくあります。
「びっくり」という事態が発生した時は、現場で建築会社と協議します。
その場合も、出来るだけコストアップにならないように心掛けています。
リノベーションの既存図面
古い木造住宅だと、図面がない場合もあります。
その場合は、図面を復元するだけでも、結構な作業になることもあります。
図面があっても、工事中に
柱・梁の位置や大きさが、
図面と全然違う・・・
ということも、よくあります。
昔の建築中の写真、特に上棟の時の写真があると非常に役立ちます。
木造住宅の場合、「柱がどこにあるか、どのくらいの大きさの梁がどこにあるか」がとても重要です。
上記のような写真があると、とてもよく分かります。
柱は現地調査で大体わかりますが、梁は天井裏をみても、よく分からないことが多いです。
住まいのリノベーションをお考えの場合、
ぜひ、昔の図面・工事の写真を
探してみてください。
上記のような部分的な軸組(柱・梁の構成)写真も、
とても貴重な
設計の手掛かりになります。
次回は、解体工事の話です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。