茨城の家 8〜家の工事の流れ・柱と梁の構造を強くする金物工事・柔構造と剛構造・大震災の被害と構造〜|東京の建築設計から

前回は「茨城の家 7〜家の工事の流れ・屋根工事・防水シート・建築コンセプト〜」の話でした。

目次

金物工事

茨城の家:屋根工事(新建築紀行)

屋根がかかり、雨が多少降っても大丈夫な状況になりました。

屋根工事も完了し、少しずつ建築の姿が見えてきました。

これから、木造の柱・梁の軸組を補強する金物を設置してゆきます。

茨城の家:土台と柱・筋交の金物(新建築紀行)

柱梁の接合は、様々な大地震を経て建築基準法の法改正が進み、基本的に全て金物で補強します。

古来からの継手・仕口は木造建築の「しなやかな強さ」である柔構造は、木造の本質的な構造の良さを活かしています。

茨城の家:軸組模型(新建築紀行)

柔構造主体の過去の建築は、大地震の際に大きな損傷や倒壊することが多く、金物でガッチリ固めます。

東日本大震災・阪神淡路大震災などで、木造住宅の倒壊が多く見られました。

阪神淡路大震災(Wikipedia)

これらの大震災の際には、木造だけではなく頑丈な鉄筋コンクリート造・鉄骨造の建築等も大きな被害を受けました。

阪神淡路大震災(Wikipedia)

木造の戸建住宅等も大きな損害をうけましたが、多くは古い建物や旧耐震基準の建築が多かったのが現実です。

木造本来の柔構造にも良い面がたくさんありますが、数度の大震災を経て、

やはり、木造建築は
金物でガッチリ固める必要がある!

という方向になり、建築基準法の改正が続きました。

茨城の家:軸組模型(新建築紀行)

その結果、金物の多い木造建築は「柔構造と剛構造の間」のような構造となりました。

いわば、「柔構造と剛構造のハイブリッド構造」となった現代の木造建築。

「柔構造と剛構造の良さを活かした構造」と考えられます。

筋交工事

茨城の家:筋交と間柱(新建築紀行)

また筋交の大きさも、昔の木造住宅と比較するとだいぶ大きくガッチリと軸組を固めます。

これから外壁・内壁を貼ってゆきますが、その際にはある程度の間隔で木材の下地が必要で、間柱と呼びます。

間柱より大きな断面のガッチリした筋交で、木造軸組の耐震性を高めます。

茨城の家:テラスを見る(新建築紀行)

屋根が作られると、建築のコンセプトが現れてきます。

茨城の家:構造軸組模型(新建築紀行)

設計で考えていたことが、目の前に現れて来ると
楽しい気持ちになります。

リノベーションの際の構造補強と比較すると面白いです。

次回は、構造用合板を貼る工事です。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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