前回は「木造戸建住宅の工事の流れ〜柱と梁の構造を強くする金物工事・筋交工事・柔構造と剛構造・大震災の被害と構造〜」の話でした。
構造を面で支える構造用合板の施工
柱・梁の軸組が完成し、屋根が架かりました。
そして、外壁の下地に全面的に構造用合板を貼ります。
木造建築では、水平方向の地震力に対して筋交で建物を支えます。
木造住宅においては多くの場合、外壁側に構造用合板という非常に強い面材を貼ります。
この面材によって、
「面状に耐震性をアップする」考え方です。
柱と梁の軸組建築とパネルのツーバイフォー
日本古来の木造建築は、基本的に柱・梁の純粋なグリッド・軸組によってつくります。
そして、筋交によって補強し、耐震性を確保する考え方です。
これに対して、米国などの木造建築のツーバイフォーの作り方は、だいぶ異なります。
ツーバイフォーでは、「パネルを面状に構成」して建築・家を作ってゆきます。
ツーバイフォーは、全体的な面で耐震性を確保するので、合理的な面があります。
日本古来の軸組構造は「柔構造」と呼ばれ、「しなやかに地震に耐える」構造です。
大きな樹木が風や地震に対して揺れても、倒れないイメージです。
一方で、軸組構造よりもガッチリしていて「剛構造」に近いイメージのツーバイフォー。
ツーバイフォーは、軸組構造よりも構造的な柔軟性は、かなり低いです。
構造用合板のメリット:耐震性と施工性
軸組構造にツーバイフォーの「面による耐震性アップ」の
良さを取り入れました。
それが、軸組構造に
構造用合板で「面の強さ」を確保する構造です。
多くの場合、9mmの構造用合板を貼りますが、非常に強くてガッチリした構造になります。
また、この9mmの合板を外側に貼ると下地となります。
そのため、外壁や胴縁を設置しやすくなるというメリットもあります。
耐震性アップと施工性アップという優れモノが、構造用合板です。
内部から見ても、ガッチリした感じが分かります。
これで耐震性は
バッチリです。
昔の家で構造用合板が使われていることは少なかったです。
そして、構造用合板が一般的に使われるようになったのは、2000年頃からです。
練馬の家では、外壁の下地として細い木材が横に留められていました。
次回から外壁工事が始まります。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。