前回は「茨城の家 8〜柱と梁の構造を強くする金物工事〜」の話でした。
今回は、構造用合板を貼る工事です。
筋交の話をしましたが、木造住宅においては多くの場合、外壁側に構造用合板という非常に強い面材を貼ります。

この面材によって、
「面状に耐震性をアップする」考え方です。


日本古来の木造建築は、基本的に柱・梁の純粋なグリッド・軸組によってつくります。
そして、筋交によって補強し、耐震性を確保する考え方です。
これに対して、米国などの木造建築のツーバイフォーの作り方は、パネルを面状に繋げて家を作ってゆきます。


ツーバイフォーは全体的な面で耐震性を確保するので、合理的な面があります。
一方で、軸組構造よりも構造的な柔軟性はやや低いです。





ツーバイフォーの「面による耐震性アップ」の良さを取り入れたのが、
構造用合板で「面の強さ」を確保する構造です。
多くの場合、9mmの構造用合板を貼りますが、非常に強くてガッチリした構造になります。
また、この9mmの合板を外側に貼ると下地となるので、外壁や胴縁を設置しやすくなるというメリットもあります。
耐震性アップと施工性アップという優れモノが、構造用合板です。


内部から見ても、ガッチリした感じが分かります。



これで耐震性はバッチリです。
昔の家で構造用合板が使われていることは少なくて、構造用合板が一般的に使われるようになったのは2000年頃からです。
練馬の家では、外壁の下地として細い木材が横に留められていました。
次回から外壁工事が始まります。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。