前回は「木造戸建住宅の工事の流れ〜建築の有機的佇まい・柱梁の軸組構造・軸組が一気に立ち上がる上棟=建前〜」の話でした。
一気に建築の形が生まれる屋根工事
上棟・建前が完了し、軸組が出来上がりました。
上棟が終わり、職人さんたちとお祝いをしました。
続いて、屋根工事です。
上棟して木造軸組が出来上がったら、まず屋根工事です。
早めに屋根をかけて、工事中に雨が降っても、
出来るだけ中に入らないようにします。
梁に垂木という細い木材を架けて、屋根の形状を作ります。
そして、構造用合板などの野地板を貼って屋根の形が完成します。
屋根がかかると、建築の形に一気に近づいてゆきます。
防水シート施工:「自然素材=一様ではない材料」
野地板を貼った後に、防水シートを貼ります。
外壁が付く部分が柱と梁だけなので、側面から風雨が入ってきてしまいます。
これで雨が降っても、かなり防げます。
構造材は乾燥材を使用しています。
「乾燥材」とは、樹木を長期間干す、または機械などで乾燥させて、気の水分を大きく減らした材です。
なぜ「乾燥材」の方が良いか、というと、理由があります。
鉄筋・鉄骨などの「人為的に作られた」材料は、「一様な材料」であることが多いです。
対して、自然の樹木から作成した木造の柱・梁は、「自然素材」なので「一様ではない材料」です。
そのため、「乾燥しきれていない」材料の場合、その水分の挙動によって、材料が反ったりします。
昭和後期くらいまでの木造建築は、そうした「反り」も加味して工事していました。
最近は、「乾燥材」を使用することで、「反り」などの事態を未然に防ぐ姿勢で工事します。
基礎や軸組のある場所に雨が入ってくるのは、出来るだけ避けたいことです。
屋根が掛かると、内部から空が見える様子がわかります。
これは、この建築の最も大事な建築コンセプトである「二階テラス=外部ヴォイド」のイメージです。
設計の最中に持っていた
イメージが立ち上がってゆきます。
ここまで工事が進むと、建築の内部・外部の空間がよく分ります。
次回は、筋交・金物などを柱・梁に設置する工事です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。