木造戸建住宅の工事の流れ〜一気に建築の形が生まれる屋根工事・防水シート施工・「自然素材=一様ではない材料」〜|茨城の家7・東京の建築設計

前回は「木造戸建住宅の工事の流れ〜建築の有機的佇まい・柱梁の軸組構造・軸組が一気に立ち上がる上棟=建前〜」の話でした。

目次

一気に建築の形が生まれる屋根工事

茨城の家:上棟 ・建前(新建築紀行)

上棟・建前が完了し、軸組が出来上がりました。

茨城の家:上棟(新建築紀行)

上棟が終わり、職人さんたちとお祝いをしました。

Yoshitaka Uchino

1日で軸組が立ち上がり、
建築の原型が生まれました。

茨城の家:屋根工事(新建築紀行)

続いて、屋根工事です。

上棟して木造軸組が出来上がったら、まず屋根工事です。

茨城の家:模型(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

早めに屋根をかけて、工事中に雨が降っても、
出来るだけ中に入らないようにします。

梁に垂木という細い木材を架けて、屋根の形状を作ります。

そして、構造用合板などの野地板を貼って屋根の形が完成します。

屋根がかかると、建築の形に一気に近づいてゆきます。

防水シート施工:「自然素材=一様ではない材料」

茨城の家:屋根工事(新建築紀行)

野地板を貼った後に、防水シートを貼ります。

外壁が付く部分が柱と梁だけなので、側面から風雨が入ってきてしまいます。

これで雨が降っても、かなり防げます。

構造材は「乾燥材」を使用しています。

「乾燥材」とは「樹木を長期間干す」または「機械などで乾燥させる」方法で、気の水分を大きく減らした材です。

なぜ「乾燥材」の方が良いか、というと、理由があります。

蚕糸の森アパートメント:ピット配筋工事(新建築紀行)

鉄筋・鉄骨などの「人為的に作られた」材料は、「一様な材料」であることが多いです。

対して、自然の樹木から作成した木造の柱・梁は、

Yoshitaka Uchino

「自然素材」なので、
「一様ではない材料」です。

そのため、「乾燥しきれていない」材料の場合、その水分の挙動によって、材料が反ったりします。

昭和後期くらいまでの木造建築は、そうした「反り」も加味して工事していました。

最近は、「乾燥材」を使用することで、「反り」などの事態を未然に防ぐ姿勢で工事します。

基礎や軸組のある場所に雨が入ってくるのは、出来るだけ避けたいことです。

茨城の家:屋根工事(新建築紀行)

屋根が掛かると、内部から空が見える様子がわかります。

これは、この建築の最も大事な建築コンセプトである「二階テラス=外部ヴォイド」のイメージです。

茨城の家:Concept Model(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

設計の最中に持っていた
イメージが立ち上がってゆきます。

ここまで工事が進むと、建築の内部・外部の空間がよく分ります。

次回は、筋交・金物などを柱・梁に設置する工事です。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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