前回は「プロセス 6 : 熊本の家 6〜外構模型〜」の話でした。

以前に設計した熊本の家は、私にとっても弊社にとっても非常に思い出深い作品です。
依頼主は、大学時代からずっと親しい親友でした。
親友はご一家で熊本に住んでおり、新たに建築する木造戸建住宅の設計を依頼されました。
「親友のご家族の住まい」ということが、非常に特徴的で印象深いです。
さらに「九州で初めての設計」でもありました。
学生時代から、九州は福岡・大分・鹿児島など様々な地を旅しました。
昨年2022年末に亡くられれた日本建築界の巨匠である磯崎新氏の故郷である大分には、磯崎氏の作品がたくさんあります。


そして、歴史付きでもある僕は鹿児島を巡って、西郷隆盛や大久保利通が活躍した時代に思いを馳せました。

熊本の家の設計を依頼されるきっかけは、「親しい友人だから」ですが、その以前に親友のもとに旅に行きました。
熊本に住む友人と会うためです。
そして、せっかく熊本にゆくので、熊本周辺を回ってみようと思いました。

そこで、阿蘇に行きました。
阿蘇の雄大な光景を楽しみながら、温泉でゆっくりして、とても美味しい熊本の食べ物を頂きました。

いかにも熊本らしい雰囲気を味わえる阿蘇の地域は、見渡す限り大自然です。

日頃から噴火を続けている阿蘇山。
煙がモクモクと上がっていて、自然の雄大な力を感じることができます。

観光名所でもある阿蘇では、楽しめる場所がたくさんあります。
いわゆる観光名所を訪れるのも楽しいですが、阿蘇の地域をゆっくりと巡るのは、非常に心が清々しい思いです。
この時、

雄大な阿蘇の山々は
実に素晴らしい。
と感じました。


熊本の家のヴォイドであるテラスは、デザインコンセプトから生まれました。
それと同時に、



テラスから、
阿蘇の山々を眺められないか。
と考えた結果でもありました。


南側に開けたヴォイドのテラス。
真正面ではありませんが、テラスが外壁からキャンティしているので、そこから東を眺めると阿蘇山が見えます。
外部ヴォイドは、茨城の家などでも実現してきました。
熊本の家が、外部テラスをキャンティさせる特徴的なデザインとなったのは、この阿蘇山の印象が強かったのが理由です。
このように、建築設計の際には、計画地周辺の自然や街の影響を受けることが多いです。
自然や街などを楽しみながら、日頃建築設計やデザインを考えています。