前回は「デザインコンセプトが明快なコンセプト模型〜空間のイメージを表現・アクソノメトリックとパースペクティブ・子どもたちが書物に親しめる大きな木の本棚〜」の話でした。
住宅の外構と庭のデザイン:都市と建築の結節点
住宅を設計する際は、住宅だけでなく外構・庭の設計・計画も重要です。
住宅と外構合わせて「一つの建築」となります。
白い箱の外観とテラスのヴォイド、そして薄い板が浮遊したようなガレージが特徴の熊本の家。
シンプルなデザインの建築なので、
外構や庭もすっきりシンプルにしようと考えました。
住宅設計の場合は、敷地と建物の間に生まれる「余白」の一部が庭や外交となります。
この「都市の余白」は「都市と建築の結節点」でもあり、建築にとっても街・都市にとっても大事です。
計画地が比較的広い熊本の家では、住宅と道路の間に広い庭を作りました。
ちょうど「2台分のガレージと隣り合う」形で庭を配置して、
小さな子どもたちや
ご家族で楽しめる庭を作りたいと思いました。
庭のイメージと詳細設計
設計時に、外構計画も並行して行います。
外構における建築物・構築物や樹木の種類など、ある程度決めておきます。
確認申請とは無関係であることが
多い外構は、工事中の変更が多いです。
まずは、ベースとなる
費用は着工前に決定しておきます。
実際は、設計→コスト調整→建築確認等申請→着工の過程では、結構バタバタしてしまいます。
外構の詳細を詰めてゆくのは、
多くの場合、工事中です。
この時は、1/30の模型に外構模型を足してゆきました。
樹木や花なども作ってみると、
イメージが湧きます。
作り込んでみるとイメージがどんどん膨らんできます。
私たちは、個人邸の外構では「塀を設置しない」ことが多いです。
塀をあまりつくらずに、出来るだけ「都市に開いた建築」を生み出したいと考えています。
熊本の家では、まだ小さな子どもが多かったので、
うちの子たちは元気だから、
庭から道路に走っていってしまうかも・・・
建主のご家族が安心して過ごせるように、庭と前面道路の間に塀を作りました。
シンプルな白い箱の外観デザインに合わせて、コンクリート打ち放しの壁面としました。
住宅内部から見える庭のデザイン:開放的で住まいと繋がる庭の空間
庭のレイアウトは玄関やリビングから、すぐにアクセスできるようにしました。
この模型のように、人やテーブルを作って置いてみるとリアリティが出ます。
建築と
庭が一体になったイメージです。
当初は、元気な子どもたちが、庭から道路の方へ行かないように側面にも低い壁を計画しました。
この模型を見て、建主も喜んでくれて、
CGもいいですけど、
模型って、やっぱりいいですね!
この側面の塀はなくても、
大丈夫かな・・・
子どもたちが「勝手に出て行かない」ように、とても低い塀を計画していましたが、
ない方がシンプルでおすすめですが、
お子様は大丈夫ですか?
ここに植栽があれば、
子どもたちは大丈夫だと思います・・・
それでは、ここは低い塀をなくして、
植栽にします。
また、リビングからは庭の樹木が見えて、借景になります。
前の道路から、リビングが
見えすぎないようにお願いしましたが・・・
こうして、庭の
樹木が見えるのは良いですね!
東側の正方形のFIX窓は「庭を眺める」ための窓です。
こういう大きな模型を見ていると、
建築が生き生きとしてきます。
そして、外観デザインでは、この「正方形のデザイン」が全体を引き締めます。
この模型を見て、建主はどんどんイメージが
膨らんだようです。
このように建主とのやりとりを経て、最終案となりました。
最終案は、この模型の案から少し変更となりました。
樹木の種類・高さ・配置も出来るだけ模型に反映すると、非常に分かりやすいです。
次回は上記リンクです。
完成写真は、下記からご覧ください。