前回は「風光明媚な山々が美しい真田氏館跡〜真田一族を産んだ村・平均標高が最も高い長野県・細長い盆地で発展した長野の都市と街〜」の話でした。
「六文銭」の旗がたなびく真田氏館跡:真田の雄叫びと信州の山々

日本で一番平均標高が高い長野県では、美しい信州の山々が臨めます。

上の写真は、松本城天守閣の最上階から見た、信州の山々です。
現存十二天守の一つ、松本城に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
福島県の会津地方の山々も美しいですが、信州の山々は、最も日本で美しいと考えます。

長野県上田市から、群馬県の方に少し山を登ったところに、真田氏歴史館・真田氏館跡があります。

大人気の真田幸村(信繁)を筆頭に、戦国ファンが多い真田氏を生み出したのが、この地です。

今回は、この周辺を歩いた話です。
森のような状況になっている真田氏館跡では、真田氏を祀る神社がありました。
そして、真田の代名詞とも言える「六文銭」の旗がたなびいていました。
この六文銭の旗を見ていると、真田氏の雄叫びが聞こえてきそうです。
森の中に「ほのかに佇んでいる」真田神社:「ありのまま」が美しい空間

真田氏の本拠地であった上田城でも、六文銭の旗を見ました。
上田城に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
筆者は、真田の六文銭のデザインが好きで、建築家やデザイナーの方なら好みのタイプの意匠です。
この同じ形状の銭が六個、均等に整然と配されたデザインは、なんとも言えずシンプルで美しいです。

島津氏の家紋である、「円に十時」もシンプルで美しいです。
日本の戦国武将は、様々な旗がありますが、多くは文字による旗が多いです。
図案のみの旗は比較的少数派ですが、六文銭も島津家の家紋も、際立ったデザインです。

神社の周囲は、極めて簡素な状態であり、森の中に「ほのかに佇んでいる」のが真田神社です。
上の写真は、神社からすぐ近くのエリアですが、とても神社とは思えないです。
むしろ、神社として整備せずに、ありのままの空間であるのが、この真田氏館跡周辺の魅力です。
過去の遺産を持っている自然の空間は、下手に手を入れずに、「ありのまま」が良さそうです。
これは、建築やデザインの世界に共通しているかもしれません。

建築デザイン、造園デザインなどはほとんどなく、自然の樹木の手入れをしているのみの真田氏館跡。
「デザインすること」を、改めて考えさせられる美しく、心休まる空間です。
長野訪問の際には、ぜひ訪れてみて下さい。
次回は上記リンクです。



