軸組建築の風合いが美しい松本城〜築430年余りの木造建築・平成復元の太鼓門〜|松本城1・建築設計と旅と歴史

前回は「日本古来の軸組建築が楽しめる上田城〜石垣を生み出す技術・真田幸村の兄真田信之と「真田石」〜」の話でした。

目次

軸組建築の風合いが美しい松本城:築430年余りの木造建築

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松本城(新建築未来紀行)

今年2025年、久しぶりに松本城を訪問しました。

Yoshitaka Uchino

松本城を訪問するのは、
大学生以来、20年以上ぶりです。

昨今のインバウンド効果もあり、大行列でした。

時間指定の予約をしていたにも関わらず、天守閣に入るのに30分以上並びました。

松本城が大人気である理由は、その高い知名度と、松本駅からほど近いロケーションにありそうです。

現存十二天守

・姫路城(兵庫県姫路市)

・彦根城(滋賀県彦根市)

・犬山城(愛知県犬山市)

・松江城(島根県松江市)

・松本城(長野県松本市)

・丸亀城(香川県丸亀市)

・丸岡城(福井県坂井市)

・宇和島城(愛媛県宇和島市)

・備中松山城(岡山県高梁市)

・高知城(高知県高知市)

・弘前城(青森県弘前市)

・松山城(愛媛県松山市)

さらに、松本城が他の城郭建築とは大きく違う点があり、松本城は「現存十二天守の一つ」です。

つまり、日本に十二しかない昔の木造軸組構法による、貴重な城郭建築である松本城。

建築や歴史に興味がある人にとっては、この事実だけでも極めて貴重ですが、松本城は「さらに貴重」です。

天守が国宝指定の五城

・姫路城(兵庫県姫路市)

・彦根城(滋賀県彦根市)

・犬山城(愛知県犬山市)

・松江城(島根県松江市)

・松本城(長野県松本市)

実は、松本城は「天守が国宝」である五つの城の一つです。

同様に、天守が国宝である犬山城を訪問した話を上記リンクでご紹介しています。

川のすぐ近くにある犬山城とは大きく異なり、典型的な「平城」である松山城。

元は深志城と呼ばれた松本城は、現在の姿として築城されたのは、1591年です。

つまり、築430年余りの、とても貴重な木造建築です。

平成復元の太鼓門

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松本城(新建築未来紀行)

まず、松本城のエントランスの太鼓門に向かいました。

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松本城(新建築未来紀行)

堀に映る姿が印象的な松本城の堀の水は、とても綺麗です。

上の写真では、堀に石垣が綺麗に反射しています。

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松本城(新建築未来紀行)

綺麗な堀の水は、透明感が高く、亀も気持ちよさそうに泳いでいました。

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松本城(新建築未来紀行)

松本城入口である太鼓門枡形は、一の門、二の門、枡形からなります。

明治4年(1871年)に一度取り壊された門は、つい最近の平成11年(1999年)に再建されました。

平成に再建された際には、古い図面などを読み込み、念入りに再建されたと思われます。

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松本城(新建築未来紀行)

さらに進むと、太鼓門の一の門があります。

門の上部には、櫓のような建築物があり、かなり大規模です。

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松本城(新建築未来紀行)

太鼓門一の門は、立派な丸型の梁による木造建築です。

柱は成形されていますが、梁は丸型と角型の2種類の梁が組み合わさる構造です。

特に、木の形を連想させる丸型の梁は、とても見事であり、角型の梁は一部欠かれて、組み合わさっています。

木の色が異なるので、丸型と角型の梁の材種は違うと思われます。

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松本城(新建築未来紀行)

すぐ近くには、この梁を切り出した時の切り株が展示されています。

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松本城(新建築未来紀行)

切り株の説明によると、

松本城

この切り株は、
平成八年に太鼓門復元の際の木です。

松本城

櫓内の梁に使用された
樹齢140年の赤松の根元です。

樹齢140年の、壮大な赤松を使用し、丹精込めて再建された太鼓門。

次回は、天守に向かいます。

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