前回は「坪単価の話〜木造戸建新築・建築費・工事費〜」の話でした。
設計と工事監理
今回は、工事監理の話です。
私たちにご依頼いただく業務は設計・監理です。
設計のプロセスにおいて、最初に建主に私たちの作成した設計案をご説明します。
そして、ご了承いただいた上で、詳細を詰めてゆきます。
安全な構造計画・快適な環境を生み出す設備計画を並行しながら、意匠設計を進めてゆきます。
図面・模型・CGなどを用いて、何度か打ち合わせをした上で、最終的に設計案を決定します。
そして、詳細な設計図書:実施設計図書を作成することが、大事な業務となります。
実施設計図書を作成するプロセスにおいて、工事予算・費用を考えながら、詰めてゆきます。
そして、建築会社・工務店に見積もりを依頼して、様々な協議の上で、工事金額が決定します。
その上で、
今回は、工事費用が
〜万円のA工務店が良いかと思います。
分かりました。
A工務店で工事をお願いします。
協議の結果を建主に見積もり結果を報告します。
そして、工事を請け負っていただく建設会社・工務店の決定の確認をして頂きます。
その後、私たちの立ち会いのもとで、建設会社・工務店と建主の間で、工事請負の契約をします。
工事が始まった後は、私たちは工事監理を行います。
工事監理と工事管理
ここで「工事監理」と「工事管理」の違いの話をします。
監理と管理で、
違うのですか?
両方とも、「かんり」と読み、漢字が異なります。
読み方が同じなので、少し紛らわしい面がありますが、内容はだいぶ異なります。
一般的には、「管理」という言葉が社会・業務で使われることが多いかと思います。
「工事管理」は、建設会社・工務店が「工事が適切に進んでいるか」を管理することです。
対して、「工事監理」は、
私たち建築士が建築基準法等などに
照らし合わせながら、工事をチェックすることです。
「工事監理」は、建築基準法・建築士法に明記されており、建築士の大事な職責です。
「工事監理」において、私たちの「建築士としての法律的な職務・職責」と共に、
私たちの設計・デザインを描いた設計図書に従って、
しっかり工事が進んでいるか、チェックします。
工事監理の具体的内容
「工事監理」は1,2週間に1度程度、現場に弊社の担当者が伺い、工事の状況を確認することです。
工事監理は完成する建築の品質を
大きく左右するので、大変重要です。
私たちは設計が完了し、工事見積査定が完了、建築基準法等に関する申請が無事完了すると、
少し、
一段落した気持ちになります。
私たちにとって、とても大事な設計図書・模型・CGなどのイメージ図。
一方で、現実的に立ち上がる建築・建物が最重要であり、
建主に、最終的な
建築・建物をしっかりお引き渡しする責務があります。
そして着工後は、
「新たな仕事がスタート!」と
気持ち新たになります。
工事監理は、様々な業務です。
・レベル・高さの設定のチェック
・基礎の配筋検査
・上棟(建前)の際の柱・梁の組みあがり方のチェック
・柱・梁の接合部の金物のチェック
・床・壁・天井など主要構造物の仕様・寸法等のチェック
・建具・家具・仕上げなどのチェック
・建築基準法・消防法などとの整合性のチェック
上記のように現場監理は、実に様々です。
全てを
しっかりチェックします。
さらに、サッシュや枠・建具・家具などの納まりなどの詳細な打ち合わせを工務店・建設会社と行います。
建主にも工事現場にお越し頂いて、
ご説明しながらご確認頂きます。
建主の変更に関するご要望を受けて、設計の変更をすることも含みます。
こうして綿密な現場監理を経て、建主の夢の住まいを、私たちが作らせて頂くお手伝いをしております。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。