建築費の話〜建築工事費と設計・建設会社の工事費見積・見積書の質疑応答と査定・材料費と人件費〜|東京の建築設計から

前回は「工事全体の合理化とコストダウンのアイデア〜デザインコンセプトと建築コスト・構造のシンプル化と工事の費用〜」の話でした。

目次

建築費の話:建築工事費と設計

豊島の家(新建築紀行)

今回は、工事費用の話です。

私たちは設計・監理をご依頼頂き、建主から設計監理費を頂戴します。

工事費用は、この設計監理費よりも大分高くなりますから、建主は気になります。

ご希望の規模・計画地の場所・
用途・構造・仕様などで変わります。

工事費用は、
どのくらいになるのでしょうか?

ご希望の内容で、私たちの
設計ですと、およそ〜万円から〜万円程度になります。

設計の初期の段階で、「どのくらいの費用になるか」をお伝えします。

明確なご予算がある場合もあります。

工事費用の予算は、
〜万円程度と考えています。

賃貸集合住宅など、銀行借入がある場合は、予算は厳しく守る必要があります。

承知しました。
その予算で建築できるように設計します。

「思いのほか工事費が高くなった」ということが、ないようにしたいと考えています。

私たちは設計だけでなく、
コスト管理にも大きな力を注ぎます。

私たちは、建て主のご要望・ご予算に合わせた設計をします。

建設会社の工事費見積

熊本の家(新建築紀行)

工事費を見積もって、建主と工事契約をするのは工事請負を行う建設会社・工務店となります。

ご予算にも配慮して設計を進めて、設計を進めてゆき、設計図書を完成させます。

その時点で、私たちは3社程の建設会社に見積もりをお願いします。

見積を依頼する会社は、私たちがこれまでに一緒に建築に取り組んだことのある会社のこともあります。

技術力が高く、誠実に取り組んでくれる会社に
新たに依頼することもあります。

設計の過程で、工事費のある程度のシミュレーションを行います。

「この設計・仕様(材料や設備など)なら
大体〜万円程度になるだろう」と考えます。

ある程度の目算を持って、設計を進めてゆきます。

見積金額は、戸建住宅の新築・リノベーションの場合、大きな違いが出ることがあります。

最大で10〜 20%の見積もり金額の違いが出ることが多いです。

この金額は
非常に大きいですね。

豊島の家(新建築紀行)

見積書の質疑応答と査定:材料費と人件費

熊本の家(新建築紀行)

例えば、総工事費がおよそ4,000万円の場合を考えます。

見積金額の「10〜20%の違い」は、大体「400〜800万円程度の違い」となります。

これは
大きな違いですね。

場合によっては、この見積金額の違いが、私たちが頂戴する設計・監理費よりも高額になります。

私たちとしても、
キッチリ査定します。

工事見積書は戸建住宅の場合でも20〜30ページ、あるいはそれ以上に及ぶ詳細な書類です。

その一項目ずつを、
きちんと確認してゆきます。

時々、指定している仕様や品番と異なる場合があります。

その場合は指摘して、きちんと「設計図書と一致しているか」を確認します。

見積をする過程で、建設会社・工務店担当者から、質疑・質疑書が来ることが多いです。

設計図書〜の、
〜の部分は、〜という考えで良いですか?

はい、
その通りです。

そして、不明な点は私たちから質疑書を出します。

この見積項目の
ここは、どういうことですか?

ここは、
〜ということになります。

場合によっては、見積もっているはずの工事内容が抜けている(見積もり落ち)がある場合もあります。

それらに関しても、私たちがしっかりとチェックしてゆきます。

茨城の家(新建築紀行)

工事費用の際に大事なことがあります。

建築工事の際は、床材・内装材などの材料費や、浴槽・キッチンなどの設備機器の費用に目が行きがちです。

これらの材料の費用や設備機器の費用の違いも、大きな差を生みます。

そして、工事を実際に行う方々、あるいは工事を管理する建設会社の方々の人件費も大きなポイントです。

それらの費用も合理的になっているかを、確認しながら、「良い建築」を共に目指すように考えています。

これら査定をきちんとした上で、見積金額を比較します。

必ずしも「見積もり金額が、安い方が良い」のではありません。

見積書と
技量・姿勢などを総合的に検討します。

これらを総合的に判断して、各建設会社・工務店と綿密な協議の上、建主に見積書の内容を報告します。

そして、比較的手頃な金額の見積書で、技術力高く誠意ある建設会社を、弊社が推薦させて頂きます。

「よい建築をつくりたい!」という
熱意は大事ですね。

基本的に、工事は推薦した会社に決定し、工事へと進んでゆきます。

弊社のサイトでは、概算の設計監理費と工事費用がシミュレーションできるシステム(上記リンク)があります。

設計監理費と工事費用の目安が分かりますので、ぜひご活用ください。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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