前回は「建物の基礎に関わる大事な掘削工事〜1次掘削と2次掘削・コンクリートの品質を決定するスランプ値と破壊検査結果・地下空間のある建築の深い掘削〜」の話でした。
慎重に進める土留工事
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掘削工事が進んで、建物の基礎を支える底盤(一番下)まで辿り着きました。
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/02/51SFA_Sec01ma.jpg)
地下に居住空間を持つ「蚕糸の森アパートメント」は、その分建物の基礎深さが深くなります。
基礎をつくるまえには、まず深く土を掘る必要があります。
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/02/VF120517_102m.jpg)
地下に居住空間がなく、基礎梁とピットのみの「石神井公園の集合住宅」と比較します。
今回の掘削の深さは、だいぶ深いのが分かります。
土を深く掘ることは、かなり大変な作業であり、慎重に進める必要があります。
頑丈に鉄骨で補強
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掘削開始時から設置されていた土留のための鉄骨は、さらに補強されました。
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「だいぶ深く掘ったな」と
いう感じです。
この計画では建物周囲に比較的余裕がありますが、隣の建物の重量が隣の土地にかかっていいます。
掘り込んだ部分に、周囲の建物が倒れてこないように、しっかりと鉄骨で支えます。
前回の掘削開始の時から、建物の中央付近に鉄骨が補強されています。
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こうしてみると、
「建築工事」というより「土木工事」のように感じます。
鉄骨が縦横にかけられてガッシリと土留の壁を支えています。
基礎底面の確認:地盤改良せず「地盤の強さ」を活かす
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底面は綺麗にならされています。
底盤の配筋前に底面のレベル(高さ)を確認します。
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地下のピットの高さを
現場で測定しました。
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/02/53FP_Sec03ma.jpg)
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/02/53FP_Sec03ma.jpg)
大きな建物をがっしりと支えるのが、この地面です。
地上4階、地下1階の建築であり、地面にかかる荷重は「5層分」の重量となります。
地盤にとっては「地上5階建と似た状況」になり、多くの場合は杭か地盤改良が必要です。
設計時には、
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これは地盤改良は
必要そうだな・・・
と考えて構造設計者と相談しました。
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地盤改良するなら、
出来るだけコストを下げたいのですが・・・
出来るだけ、
シンプルに構造設計します!
杭や地盤改良など「土工事」には意外とコストがかかります。
そのため、出来るだけ合理的に設計することを心がけました。
詳細に検討した結果、地盤が良好なので、
地盤改良をしなくてもギリギリ構造設計可能の見込みです。
「ギリギリ」ですが、「地盤改良は不要」とのことです。
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地盤改良が不要なのは、コスト面で有利ですが、
「ギリギリ」で問題ないですか?
構造設計の余力などを考えると、
安全性は十分と考えます。
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それでは、地盤改良なしで、
もともとあった地盤を大事にしましょう!
底面の地盤は、非常にきれいな関東ローム層です。
地盤改良すれば「地盤が強固になる」のですが、本来の地盤を人工的に固めることになります。
構造設計上OKなのであれば、「元々の地盤を大事にする」姿勢が良いと判断しました。
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これなら、この上に5層分の鉄筋コンクリートの建物が乗っても、
しっかりと支えてくれそうですね。
次回は、底盤の配筋工事です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。