石神井公園の集合住宅 5〜マンションの建築工事現場・根切・基礎工事〜|東京の建築設計

前回は「石神井公園の集合住宅 4〜マンションの建築工事現場・地盤改良工事〜」の話でした。

根切工事:石神井公園の集合住宅(新建築紀行)

地盤改良が無事に完成し、いよいよ基礎工事に入ります。

基礎工事でまず最初に行う工事は、根切工事です。

根切工事とは「建物の基礎をつくる際、地盤面下を掘削して、基礎やピットのための空間を造ること」です。

根切という言葉は、文字通り「根を切る」という意味から生まれた言葉です。

樹木や植物の根を切ってしまうように、「土を切る」という意味で、どんどん土を掘ってゆきます。

戦国大名 織田信長(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

戦国時代は、文字通り「戦争が絶え間なく発生した」時代です。

戦国大名の中でも、最も苛烈であった織田信長。

敵対する宗教勢力の一向宗門徒に対して、

やつらを
根切にせよ!

と家臣団に命令を下しました。

こういう歴史もあるため、少し過激なイメージのある「根切」ですが、建築工事において非常に大事です。

まずは、基礎を作る空間をしっかり作るために、建物の配置に合わせて掘削して、根切工事を進めてゆきます。

石神井公園の集合住宅:根切工事(新建築紀行)

だいぶ根切工事が進んできました。

土に大きな穴が空いて、ここで基礎工事を進めてゆきます。

石神井公園の集合住宅:基礎工事(新建築紀行)

壁式鉄筋コンクリート造の建物には、地中部分に基礎梁があります。

その基礎梁を受ける位置をしっかりと検討して、基礎梁の周辺をしっかり固めます。

石神井公園の集合住宅:基礎工事(新建築紀行)

盛り上がっている部分の上部に、大きな建物の重量を支える基礎梁が配置されることになります。

石神井公園の集合住宅:基礎工事(新建築紀行)

ここまで完成したところで、基礎梁周囲の部分であるピットを作るために、薄くコンクリートの板を作ります。

「捨てコン」あるいは「捨てコンクリート」と言われます。

「捨てコンクリート」の「捨て」というのは、構造的には重要ではないため「とりあえず工事する」という意味です。

捨てコンクリートをしっかり打つことで、ピットがしっかりとした空間となります。

基礎工事:石神井公園の集合住宅(新建築紀行)

そして捨てコンクリートをした上には、原寸大の図面のごとく、通り芯などの工事のために大事な情報を描いてゆきます。

建物の規模が大きくなるほど、配管・配線などの設備工事の重要性が増してゆきます。

ピットには上水・下水などの配管、電気配線がたくさん入り、ここから上の住まいなどに接続されてゆきます。

これで、建物を作ってゆく最も基本的工事が完了しました。

次回は、基礎の配筋工事です。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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