山の中の木のホテル・設計コンセプト②〜片流れの屋根の森・「繊細な和の優美さ」の表現・細い梁で包まれる空間〜|東京の建築設計

前回は「山の中の木のホテル・設計コンセプト①〜広場と道空間の「潤いのある空間」〜」の話でした。

目次

山の中の木のホテル・設計コンセプト:片流れの屋根の森

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

建物の形が決まり、デザインの大枠が決定しました。

「片流れの屋根の森」の
イメージです。

そして、建物を支える構造を考えます。

構造を考える際は、デザインと並行して考えることが多いです。

今回は、木造軸組構造でデザインします。

他の構造でも仕上げに木材を使って、「自然な雰囲気」を作ることはできます。

今回は、木造ならではの均等グリッドによって「木の秩序」を生み出したいと考えました。

オーガニック・ルーフ((新建築紀行)

どの棟も等間隔で柱梁を配置して、統一感をつくり出します。

メインとなる棟のみ、構造から離して外壁をたてることとします。

主体構造から解放することで、窓の大きさを自由に大きく設けることが出来ます。

そして、木の柱と梁の構成がより明快になり、「山の中の木の柱・梁の森」に囲まれます。

「繊細な和の優美さ」の表現:細い梁で包まれる空間

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

主要な構造を決定したら、屋根を支える為の梁を検討します。

外観にも表れる、意匠としても美しい梁にしたいと考えました。

太い梁ならば、ある程度の
ピッチごとに配置すれば、構造が成立します。

そこで、切妻の斜めの梁は、主要な梁よりも細い梁として、ピッチを細かく配列します。

細い梁が沢山並んで、
屋根を支えるイメージです。

そうすることで、「繊細な和の優美さ」を表現しています。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

この様な段階を経て、設計案が決まります。

細い梁で包まれる和の空間、木の空間を目指しました。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

内部空間は、太い柱と梁の軸組構造による均等グリッドが支配的で、秩序をもたらします。

そして、その秩序ある空間に対して、細い梁が屋根を優しく支えるイメージです。

設計は図面の2Dだけではなく、CGや模型などの3Dで検討することも大切です。

ここをこうデザインしたら、
どうなるんだろう?

あるいは、

これはどんな感じに、
みえるんだろう?

と考えながら、多角的な視野で検討してベストな案を生み出します。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

このようにして今回は、設計が決定してゆきました。

「自然の中に佇む片流れの分棟が集合するホテル」というコンセプトになりました。

デザインは、最終的な形が大事ですが、私たちは「コンセプト」をとても重視しています。

私たちならではのコンセプトで、デザインを進めてゆきます。

新建築紀行

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