山の中の木のホテル・設計コンセプト①〜広場と道空間の「潤いのある空間」〜|東京の建築設計

前回は「山の中の木のホテル:設計プロセス③〜大自然の中の開放的な木造空間・木質のおおらかな客室のイメージ・「地域に開いたホテル」のコンセプト〜」の話でした。

目次

山の中の木のホテル・設計コンセプト

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

こんにちは。

今回は、ホテルのデザインに関して、どのようにして設計を進めているのかご紹介します。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

内外共に木の質感の
建物です。

建物と建物の間の外部空間は、建物の外壁によって囲まれます。

この外部空間は、自然が豊かな空間で、広場の空間でもあり道空間でもあります。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

まず大事なことは、計画地が「とても緑豊かな場所」ということです。

そこで、自然を身近に感じる滞在を目指し、低層の建物で計画することとしました。

分棟型として敷地に配置し、外部空間も活かされるホテルとします。

建築と建築の間の
空間が活性化されるイメージです。

この建物を分ける案は、「建物のボリュームを小さくする」ことが最も大事です。

自然の環境の中に、建築が落ち着いて静かに佇むイメージです。

広場と道空間の「潤いのある空間」

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オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

ホテル利用者全員が使う受付やレストランなどをメイン棟として、中央に配置します。

その周辺に、客室棟を配置します。

木造建築とするイメージは
早い段階からありました。

一般的に、木造建築は切妻という「山のような形の屋根」が多いです。

新建築紀行
富山の美術館(新建築紀行)

「切妻の屋根」は、屋根の勾配(傾き)によって、見え方がだいぶ異なります。

そして、切妻以外には斜めの形の「片流れ」や平らな「フラットルーフ」などがあります。

ホテルの建物をたくさん
分けるから・・・

今回は切妻や
フラットではなく、片流れが良さそうだな・・・

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

まっすぐのフラットルーフ・陸屋根や切妻ではなく、片流れ屋根のデザインとしました。

こう考えて、片流れの屋根が織りなす光景をスタディしました。

そして、メインの棟と客室棟を関係づける為に、屋根の形をデザインしました。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

そして、
メインの棟に対して流れをつくります。

今回はメインの棟の形を決めてから、それに対して山・谷となるよう計画しています。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

屋根の形で流れをつくることで、外部空間にも関係性が生まれてきます。

棟から伸びた勾配のある庇によって、
居室と外部につながりがでてきます。

そして棟と棟の間も、連続性のある空間がつくり出されます。

このようにして、まずは建物の配置とボリューム感を決めてゆきました。

この空間が、広場の空間と道空間の両方の機能を持つ「潤いのある空間」となるイメージです。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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