前回は「竣工写真撮影と様々な「設計の気づき」〜シルエットと建築・生活感とスケール感〜」の話でした。
建築における写真と動画:「自分なりにイメージ」する楽しみ
2007年にアップルから、スマホiphoneが発売されてから、17年。
スマホは瞬く間に世界を席巻し、かつての電話の存在を遥かに超えた存在になりました。
「何事もスマホがなければ始まらない」生活になり、動画が非常に身近になりました。
動画はテレビで「すでに身近」でしたが、いつでもどこでも「自分が好きな映像」が見られます。
筆者は、電車の中などでは動画を見ることはほとんどないですが、
You Tubeで
海外ニュースなどを毎日見ます。
多くの方にとって、You Tubeなどの「テレビ以外の動画を見ない日はない」と思います。
建築の表現においても動画が非常に増えて、「動画だから分かる」ことも沢山あります。
動画だと、光や風のうつろいや変化がよく分かります。
「現地に行って、その空間を体験することが大事」ですが、映像ならば疑似体験が出来そうです。
この中、静止画である写真の立場は幾分減っていると思われますが、
個人的には
建築は動画より写真の方が好きです。
建築において「写真と動画のどちらが良いか」は答えがなく、多くは「好みによる」と思います。
筆者が「写真の方が好き」な理由は、
写真だと、光や風のイメージが
膨らみ、空間がイメージしやすいからです。
この「写真を見て、光や風のイメージを膨らます」のは、
この写真のこの光は、
このように変化するのでは・・・
自分で「イメージすること」を楽しんでいる面もあります。
地中海を訪問した話を、上記リンクでご紹介しています。
これまでに、様々な建築や都市や街を訪ねてきたので、空間イメージがしやすくなったと思います。
このように「自分で描いたイメージ」もまた、「自分なり」で良い面があるように思います。
人の動きと建築空間:写真と静止画の潜在力
「大泉学園の家」の竣工写真撮影の際、カメラマンの方から、
この建築は、柱を活かした撮影
写真が面白いな・・・
柱の周辺を
ぐるぐる周ってみてくれる。
と提案があり、通常の撮影よりも「動きを含む撮影が多い」撮影になりました。
当初「動きが多い撮影」は想定していなかったので、
こんな
感じですか?
設計者でありモデルでもある担当者は、少し戸惑っている感じもありましたが、
こんな風に
歩けばいいでしょうか?
うんうん。
とてもいいね!
初めての「動的な写真撮影」とも言える状況に少しずつ慣れてきたようです。
そして、リビングを歩いてもらって、「動きのある撮影」を実施しました。
同じ視点で、モデルが空間の内部を動き回る一連の写真を見ると、
空間に不思議な
躍動感が生まれているように思います。
リノベーションのために、「既存の柱を全てそのまま残す」ことをコンセプトにしました。
新築では考えられないほど多数の柱がある空間において、人が歩くと、
設計の際のコンセプトや
アイデアとはまた違う光景に感じました。
動画による表現も大事ですが、写真・静止画の潜在力をもっと引き出せると面白いと思います。
少し想定外の竣工写真撮影となりましたが、新たな気づきが生まれました。
次回は上記リンクです。