前回は「建築模型と設計・デザイン〜模型の力・スタディモデル・光の検討〜」の話でした。
リアルな模型とCG
茨城の家のリアルな1/50模型を作成しました。
造作の家具・建具などを丁寧に作り込み、机なども作成して配置します。
この模型は質感を反映していない、白模型のシンプルな模型ですが、空間構成がよく分かります。
質感を綺麗に反映できるCGも良いですが、やはり「模型だから分かること」がたくさんあります。
模型をつくって、
「あっ、ここはこうしよう!」と思うこともあります。
建築する作品を表現するだけではなく、設計のプロセスにおいても非常に大事な存在が模型です。
コンセプト模型:コンセプトを明快な形に
リアルな模型を作成した後に「コンセプト模型」=”Concept Model”を作成しました。
自分たちの設計の確認や建主への説明のための「リアルな模型」とは異なります。
設計コンセプトを、明快に表現するConcept Modelの話です。
茨城の家では、
「内外のVoidから、様々な光をすくい取る」が
最も大事なコンセプトです。
内部のVoidも大事なConceptですが、
外部のVoidが
最重要です。
建築を貫入するように配置した「2階のテラスのVoid」が最も大事なコンセプトです。
コンセプト模型を作成する際は、出来るだけ要素を削ぎ落とすことがポイントです。
サッシュ・開口なども「大事な部分」以外は「あえて作らない」姿勢が重要です。
顕在化したコンセプトから「見えてくる」こと
今回は、最も大事なVoidを、明快に表したコンセプト模型を作成しました。
Conceptが剥き出しになり、非常に明快にわかります。
2階のテラスがガラスで囲まれていて、テラスに差し込む光がリフレクトしながら、内部空間に入ってゆくイメージです。
リアルな模型とは違い、現実に建つ建築では見ることができないのがコンセプト模型です。
コンセプトを、
明快に表現します。
そして、また新たな展開を、
もたらしてくれます。
要素を削ぎ落としているからこそ、「見えてくるコンセプト」があります。
顕在化したコンセプトから「見えてくる」ことを設計のプロセスにおいて、重視しています。
そして、そこからまた設計が発展してゆくことがあります。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。