山の中の木のホテル:設計プロセス①〜自然豊かな環境の中の滞在型ホテル・大規模木造建築〜|東京の建築設計

前回は「みそら幼稚園 耐震改修とリノベーション②」の話でした。

目次

自然豊かな環境におけるホテル

オーガニック・ルーフ(Copyright : YDS)

こんにちは。

現在計画を進めている、「山の中の木のホテル」の計画についてご紹介したいと思います。

とても自然豊かで、風光明媚な計画地です。

緑あふれるこの敷地を活かした
ホテルの設計をお願いします。

クライアントから設計の依頼を受けた際、計画地の資料を見て

わかりました。
非常に自然の豊かな素晴らしい土地ですね。

そうです。
ここでしかない、ホテルを作りたいのです。

「ここでしかない建築」を作り出すことは、私たちが最も大事にしているコンセプトです。

このような要望を受けることは、私たちとしては、非常に嬉しいことです。

建築のイメージ

蚕糸の森アパートメント:公園側から

この計画地の資料を拝見しながら、建築のイメージが頭のなかを駆け巡ります。

これほど自然の豊かな計画地での実作は、これまでにはありません。

「蚕糸の森アパートメント」のイメージが思い浮かびました。

この建築は、東京都内の非常に大きな公園の目の前に建つ、非常に恵まれた計画地です。

蚕糸の森アパートメント模型(copyright : YDS)

この蚕糸の森アパートメントの設計を依頼主から相談された際、

自然豊かな公園に向かって、
大きく開いた建築にしよう・・・

共用階段を公園側に開いて、
公園を上がり降りしながら、公園を楽しむ建築にしよう・・・

こういうイメージが、最初に相談した時に頭に思い浮かびました。

蚕糸の森アパートメント:共用階段から臨む公園

そして、この共用階段から「ガラス越しに公園を臨む」イメージを最初に持ちました。

この「最初のイメージ」を、私たちはとても大事にしています。

「山の中の木のホテル」の依頼を建主から受けた際、

少しゆとりのある、
広めの部屋で計画してください。

建主から具体的な要望をお聞きしました。

この時、非常に自然に恵まれた、広さにゆとりのある計画地に

いくつかの木造建築の
ホテルを分けて配置するイメージが良さそうだ・・・

というイメージを持ちました。

テラスのある住まい 模型(新建築紀行)

以前、戸建住宅の建築群を風光明媚な計画地に設計する設計をしました。

この計画地もゆとりがある敷地でしたが、今回のホテルの計画地は「さらにゆとりがある」状況です。

木造建築の屋根はフラットではなく、
切妻か、片流れで・・・

建築が自然豊かな風景に
溶け込むイメージにしたい!

これで、最初のイメージが固まりました。

イメージから具体的設計へ

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

依頼内容をもとに、早速具体的な設計を始めます。

設計をする際には、建主の要望・法規などが大事で、最初に確認します。

その上で、最初に持ったイメージを具体的な設計に作り上げてゆきます。

自然の中で、
ゆったりと過ごしてもらいたいね。

自然を活かした
デザインですね。

客室を分棟にして、
検討してみよう。

ボリュームを分節して、
自然と建築を融合させます。

まずは建築のボリュームを検討します。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

敷地の大きさから、一棟の大きさや棟数を検討します。

今回の建築は、全て屋根の形を合わせることにしました。

木造建築は多くの場合、「切妻」か「片流れ」です。

少し複雑な形状の「入母屋」などの形もありますが、「切妻」か「片流れ」で考えました。

「切妻屋根の建築群」と「片流れ屋根の建築群」の両案を検討し、

今回は
片流れ屋根の建築群にしよう!

山が多い風景に
馴染みますね。

これで、屋根のデザインの方向性が固まりました。

客室以外にも
受付や飲食スペースなどが必要だね。

一つは少し大きめの
建築にしますか。

コアとなる
建築を一つ作ろう。

そこを中心として、
客室の棟を配置してみよう。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

ホテル利用者が共用で利用する棟をメインとして、その棟を囲む様に4棟を配置します。

各客室棟は2グループが利用出来るようにしました。

そして、1グループあたり100 ㎡強の客室とした計画で進めてゆきます。

かなりゆとりのある
客室です。

外でも部屋の中でも
ゆっくり過ごして頂くイメージです。

木造建築らしさを表現した、「山の中の木のホテル」の設計が少しずつ具体化してゆきます。

次回は上記リンクです。

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