前回は「山の中の木のホテル:設計プロセス①〜自然豊かな環境の中の滞在型ホテル・大規模木造建築〜」の話でした。
大自然の中の建築イメージ
大自然の草原のような空間に、いくつかの建築ボリュームを配置することにした「山の中の木のホテル」。
すべての建築は片流れの木造建築として、周辺の山々と調和するデザインを考えました。
山が多い風景に
馴染みます。
各客室棟は2グループが利用出来るようにしました。
ゆとりのある広さの客室として、数日間楽しんでいただくことを考えています。
群造形の建築デザイン
配置と建物のボリュームが決まったので、簡単な模型をつくりながら建物のレイアウトを考えます。
今回は「五つの建築群」によって「一つの建築をつくる」ことになります。
そのため、単体としての建築デザインも重要ですが、群造形としての建築デザインを考えました。
次に各棟に関係性が生まれるよう、屋根の形で各棟を関連付けます。
メインの棟に対して、
山・谷となる屋根の形にしてみよう。
全て片流れの
屋根で、簡単な模型をつくりました。
非常に簡単な模型で、スケールは1:200で、片流れのボリュームのみです。
要素を削り落として「最も重要なコンセプトを表現」したコンセプト模型です。
それぞれの屋根に
勾配の変化をつけてみますか?
それは
面白いね。
各棟のカラーを出しながら、
一体感のあるホテルにしよう。
デザインのコンセプトが固まってきました。
このデザインによって、棟と棟の間に出来る外部空間も活かされます。
室内に居ながらも、
自然を近くに感じることが出来ますね。
それぞれ棟が分かれていても、
外部と繋がる感じがするね。
自然に囲まれた雰囲気を取り入れる為に、最大限窓を大きく設けます。
木造軸組構造として、規則正しく柱梁を配置します。
柱梁のグリッド構造と片流れの構造デザイン
勾配屋根となっているので、天井が高くとれるところもあります。
そのようなところは、梁のより上に窓を設けることも可能です。
メイン棟は、
外壁を構造より外側としよう。
外壁の角に、
大きく窓がとれるね。
とても開放的な空間で、
いいですね。
主体構造は、しっかり作る必要があります。
均等グリッドで、しっかりした構造をつくり、周囲に開放感のあるガラス面の多い外壁を作ります。
基本的な計画案が決まり、建主と打合せも進めます。
自然と建築が融合した
デザインです。
周辺環境が活かされている
素晴らしいデザインですね。
この片流れの大きさや勾配などを
色々と検討して、このデザインになりました。
建主にはCGと共に、簡単な模型を見せて、レイアウトによって群造形が変わる様子を説明します。
なるほど、建物のレイアウトで
雰囲気がだいぶ変わりますね。
私たちとしては、
このデザイン案がベストと考えます。
この案で、
設計を進めてください!
承知しました。
実施設計を進めてゆきます。
全体のデザインコンセプトが固まり、実施設計・詳細を詰めてゆきます。
次回は上記リンクです。