山の中の木のホテル:設計プロセス②〜大自然の中の建築イメージ・群造形の建築デザイン・柱梁のグリッド構造と片流れの構造デザイン〜|東京の建築設計

前回は「山の中の木のホテル:設計プロセス①〜自然豊かな環境の中の滞在型ホテル・大規模木造建築〜」の話でした。

目次

大自然の中の建築イメージ

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

大自然の草原のような空間に、いくつかの建築ボリュームを配置することにした「山の中の木のホテル」。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

すべての建築は片流れの木造建築として、周辺の山々と調和するデザインを考えました。

山が多い風景に
馴染みます。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

各客室棟は2グループが利用出来るようにしました。

ゆとりのある広さの客室として、数日間楽しんでいただくことを考えています。

群造形の建築デザイン

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

配置と建物のボリュームが決まったので、簡単な模型をつくりながら建物のレイアウトを考えます。

今回は「五つの建築群」によって「一つの建築をつくる」ことになります。

そのため、単体としての建築デザインも重要ですが、群造形としての建築デザインを考えました。

次に各棟に関係性が生まれるよう、屋根の形で各棟を関連付けます。

Yoshitaka Uchino

メインの棟に対して、
山・谷となる屋根の形にしてみよう。

Mana Muraki

全て片流れの
屋根で、簡単な模型をつくりました。

非常に簡単な模型で、スケールは1:200で、片流れのボリュームのみです。

要素を削り落として「最も重要なコンセプトを表現」したコンセプト模型です。

Mana Muraki

それぞれの屋根に
勾配の変化をつけてみますか?

Yoshitaka Uchino

それは
面白いね。

Yoshitaka Uchino

各棟のカラーを出しながら、
一体感のあるホテルにしよう。

デザインのコンセプトが固まってきました。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

このデザインによって、棟と棟の間に出来る外部空間も活かされます。

Mana Muraki

室内に居ながらも、
自然を近くに感じることが出来ますね。

Yoshitaka Uchino

それぞれ棟が分かれていても、
外部と繋がる感じがするね。

自然に囲まれた雰囲気を取り入れる為に、最大限窓を大きく設けます。

木造軸組構造として、規則正しく柱梁を配置します。

柱梁のグリッド構造と片流れの構造デザイン

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

勾配屋根となっているので、天井が高くとれるところもあります。

そのようなところは、梁のより上に窓を設けることも可能です。

Yoshitaka Uchino

メイン棟は、
外壁を構造より外側としよう。

Yoshitaka Uchino

外壁の角に、
大きく窓がとれるね。

Mana Muraki

とても開放的な空間で、
いいですね。

主体構造は、しっかり作る必要があります。

均等グリッドで、しっかりした構造をつくり、周囲に開放感のあるガラス面の多い外壁を作ります。

オーガニック・ルーフ(新建築紀行)

基本的な計画案が決まり、建主と打合せも進めます。

Yoshitaka Uchino

自然と建築が融合した
デザインです。

不動産会社A

周辺環境が活かされている
素晴らしいデザインですね。

Mana Muraki

この片流れの大きさや勾配などを
色々と検討して、このデザインになりました。

建主にはCGと共に、簡単な模型を見せて、レイアウトによって群造形が変わる様子を説明します。

不動産会社A

なるほど、建物のレイアウトで
雰囲気がだいぶ変わりますね。

Yoshitaka Uchino

私たちとしては、
このデザイン案がベストと考えます。

不動産会社A

この案で、
設計を進めてください!

Mana Muraki

承知しました。
実施設計を進めてゆきます。

全体のデザインコンセプトが固まり、実施設計・詳細を詰めてゆきます。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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