幼稚園リノベーションの耐震改修・設計プロセス②〜既存建物の耐震改修設計・大事な現状把握・園の生活を考慮したベストなデザイン・分厚い耐震壁を設置する位置〜|東京の建築設計

前回は「幼稚園リノベーションの耐震改修・設計プロセス①〜助成金申請と設計・大事なスケジュールとコスト管理〜」の話でした。

目次

幼稚園リノベーションの耐震改修・設計プロセス

みそら幼稚園:現地調査(新建築紀行)

園舎の耐震性が低く、子どもたちの安全性に懸念があった、みそら幼稚園。

耐震性のアップを主目的とした、リノベーション設計の依頼を受けました。

みそら幼稚園・設計の目的

・建物の耐震強度の大幅な改善

・老朽化して暗いトイレなどをリノベーション

まずは、耐震改修のための構造設計が最優先となります。

個人邸のリノベーションでは、スケジュールはご家族の考え次第ですが、施設では大きく異なります。

大人数の方が使用する施設では、「工事は休み、または休みに準じる時期に行うことが望ましい」のが一般的です。

みそら幼稚園・園長の思い

・園児達の安全に少しでも影響がないようにしたい

・園児達が、工事の粉塵などを吸うリスクはなくしたい

工事は夏休みだけで
行って欲しいのですが・・・

少し工事期間が短いですが、
スケジュールも含め、よく検討します。

既存建物の耐震改修設計:大事な現状把握

みそら幼稚園:現地調査(新建築紀行)

私たちとこれまで一緒に仕事をした経験のあるベテランの構造設計事務所に依頼しました。

築35年ほどの
鉄筋コンクリート造の耐震改修です。

詳細な現状調査をした
上で、構造設計をする必要があります。

そして、具体的に構造計画・設計を開始しました。

新建築紀行
みそら幼稚園:コンセプト(新建築紀行)

幼稚園は鉄筋コンクリート造で、耐震強度が大きく不足していました。

主要構造に、かなり手を
加える必要があります。

園児や先生方の園での
生活を重視して、合理的に設計してください。

構造設計者に基本的な構造解析をして頂き、必要な耐震強度を満たすための案がいくつか出てきました。

耐震壁の
設置は出来るだけ少なくしましょう。

園の生活を考慮したベストなデザイン:分厚い耐震壁を設置する位置

みそら幼稚園:現地調査(新建築紀行)

耐震強度を確保するためには、地震に対してガッチリ耐えるための耐震壁を追加する必要があります。

耐震壁とは、鉄筋コンクリート造の柱と柱を結ぶ「構造壁」です。

梁と一体となって「耐震」するための、
ぶ厚い鉄筋コンクリート造の壁です。

みそら幼稚園:現地調査(新建築紀行)

「どこかに追加しなければならない」ぶ厚いコンクリートの壁。

これを「どこに追加するか」が、
最大のポイントでした。

幼稚園の先生方からすると「壁が増える」のは、園児たちを育てるうえで、大きな障害となります。

新建築紀行
みそら幼稚園:コンセプト(新建築紀行)

そこで、構造設計者と綿密な打ち合わせを進めました。

そして、様々な案を多角的に検討して、最も良い設計案をつくりだしたのです。

次回は上記リンクです。

完成写真は、下記からご覧ください。

新建築紀行

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