戸建住宅の工事現場のプロセス:法規制とデザインコンセプト〜バウンスする柔らかな光・準耐火建築物の内装・イメージに近づいてゆくプロセス〜|豊島の家20・東京の建築設計

前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:透明度を追求したスチールの製作サッシュ〜開放的なイメージと防火設備・「自分だけの空」を眺めるイメージ・都市の風景を室内に取り込む〜」の話でした。

目次

法規制とデザインコンセプト:準耐火建築物の内装

豊島の家:内装工事(新建築紀行)

製作サッシュの工事が完了し、今度は内装工事に入ります。

今回の内壁は、石膏ボード(プラスターボード)に白色の塗装仕上げとします。

前回ご紹介しましたが、この木造住宅は、豊島区の推進事業により準耐火建築です。

木造の建物を「準耐火」にするためには、様々な法規制を満たす必要があります。

外壁・内壁・床・天井など、様々な部位に厳しい制約がかかります。

今回は、普通の石膏ボードよりも頑丈な「強化プラスターボード」で作ります。

普通の石膏ボードよりも少し重い材料です。

豊島の家:内装工事(新建築紀行)

吹き抜けを見下ろしたところです。

大きな吹き抜けに、柔らかな光が燦々と注ぎ込むイメージです。

豊島の家:模型(新建築紀行)

壁面や天井をバウンスする柔らかな光を実現するためには、内部の壁面は、非常に平滑な白い壁になって欲しいです。

Yoshitaka Uchino

平滑な面を、
光が優しく反射します。

バウンスする柔らかな光

豊の国情報ライブラリー(新建築紀行)

バウンスする柔らかな光は、様々な建築を訪れて感動した経験があります。

大きな外部テラスから、製作サッシュを通して入ってくる自然の光。

その光を、平滑な天井と壁で受け止めて、「柔らかな光で満たされた空間」が大事なイメージです。

新建築紀行
豊島の家:ドローイング(新建築紀行)

施工する大工さん達には、いつも以上に念入りに施工することをお願いしました。

豊島の家:内装工事(新建築紀行)

二階の個室の石膏ボードも施工が進みます。

準耐火建築の法規制では、ボードを止めるビスの位置なども制約があります。

写真をみると、ビスの位置もビシッと均等に並んでいることが分かります。

法規制の制約と共に、「平滑な壁」になるように、丁寧に施工してもらいました。

イメージに近づいてゆくプロセス

豊島の家:内装工事(新建築紀行)

テラスを見上げると、だいぶ最後のイメージに近づいてきました。

Yoshitaka Uchino

あのテラスからフワッとした
柔らかな光が降り注ぐ。

豊島の家:ドローイング(新建築紀行)

自分が抱いていたイメージに近づいてくると、なんとも嬉しい気持ちになります。

丁寧に貼られたボードに施工の最終段階で塗装しますが、このままでも良いと思うくらい綺麗です。

天井のボード施工はこれからですが、次回はサッシュ工事の話をご紹介します。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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