前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:透明度を追求したスチールの製作サッシュ〜開放的なイメージと防火設備・「自分だけの空」を眺めるイメージ・都市の風景を室内に取り込む〜」の話でした。
法規制とデザインコンセプト:準耐火建築物の内装
製作サッシュの工事が完了し、今度は内装工事に入ります。
今回の内壁は、石膏ボード(プラスターボード)に白色の塗装仕上げとします。
前回ご紹介しましたが、この木造住宅は、豊島区の推進事業により準耐火建築です。
木造の建物を「準耐火」にするためには、様々な法規制を満たす必要があります。
外壁・内壁・床・天井など、様々な部位に厳しい制約がかかります。
今回は、普通の石膏ボードよりも頑丈な「強化プラスターボード」で作ります。
普通の石膏ボードよりも少し重い材料です。
吹き抜けを見下ろしたところです。
大きな吹き抜けに、柔らかな光が燦々と注ぎ込むイメージです。
壁面や天井をバウンスする柔らかな光を実現するためには、内部の壁面は、非常に平滑な白い壁になって欲しいです。
平滑な面を、
光が優しく反射します。
バウンスする柔らかな光
バウンスする柔らかな光は、様々な建築を訪れて感動した経験があります。
大きな外部テラスから、製作サッシュを通して入ってくる自然の光。
その光を、平滑な天井と壁で受け止めて、「柔らかな光で満たされた空間」が大事なイメージです。
施工する大工さん達には、いつも以上に念入りに施工することをお願いしました。
二階の個室の石膏ボードも施工が進みます。
準耐火建築の法規制では、ボードを止めるビスの位置なども制約があります。
写真をみると、ビスの位置もビシッと均等に並んでいることが分かります。
法規制の制約と共に、「平滑な壁」になるように、丁寧に施工してもらいました。
イメージに近づいてゆくプロセス
テラスを見上げると、だいぶ最後のイメージに近づいてきました。
あのテラスからフワッとした
柔らかな光が降り注ぐ。
自分が抱いていたイメージに近づいてくると、なんとも嬉しい気持ちになります。
丁寧に貼られたボードに施工の最終段階で塗装しますが、このままでも良いと思うくらい綺麗です。
天井のボード施工はこれからですが、次回はサッシュ工事の話をご紹介します。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。