戸建住宅の工事現場のプロセス:建築の環境性能とデザイン〜自然の光の美しさを優先・ありのままの自然の光・シンプルなスチールサッシュ〜|豊島の家21・東京の建築設計

前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:法規制とデザインコンセプト〜バウンスする柔らかな光・準耐火建築物の内装・イメージに近づいてゆくプロセス〜」の話でした。

目次

ありのままの自然の光:シンプルなスチールサッシュ

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

今回は、製作サッシュなどのサッシュ工事とガラス工事です。

外部テラスからの自然の光を、出来るだけ「ありのままの光」として内部空間に取り込みたいと考えました。

豊島の家:模型(新建築紀行)

そして、その「ありのままの自然の光」によって、内部空間を満たすイメージです。

そのためには、サッシュの方立(ガラスを留める部材)は出来るだけ小さくしたいです。

方立が、自然の光の邪魔をしてしまい、影を作ってしまいます。

出来るだけ、影のない「ピュアな自然光」をもたらしたいと考え、製作サッシュとしました。

この製作サッシュとするためには、「防火設備の法規制」から逃れる必要があり、念入りに設計しました。

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

製作サッシュは、ステンレス・スチールで製作します。

錆びのことを考えると、ステンレスを使用したいのですが、ステンレスは高価です。

また、ステンレスは非常に硬いので施工するのが大変なため、今回はスチールです。

Yoshitaka Uchino

スチールはステンレスより
加工も容易です。

そして、防錆(錆止め)の塗装はいつも使用しているメーカーの塗料を塗って頂きました。

時間が経つにつれて風合いが出てくる、筆者がとても好きな塗料です。

建築の環境性能とデザイン:自然の光の美しさを優先

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

外部テラスの角は、一枚ガラスの突きつけにしました。

突きつけにして、サッシュレスにすることで、非常に透明度が高くなり、自然の光を美しく取り込みます。

温熱環境・省エネから、サッシュは全てペアガラスで、製作サッシュも、この部分以外は全てペアガラスです。

この突きつけのサッシュの部分は、断熱性能が少し落ちてしまいますが「光の美しさ」を優先しました。

この多少落ちる断熱性能は、外壁(外皮)の断熱性能を全面的に高めることで、うまく対処しています。

Yoshitaka Uchino

デザインと機能を、
しっかり考えて設計しています。

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

製作サッシュと既製品のサッシュが施工され、テラスから見た写真が上の写真です。

まだ足場がありますが、幅が1間半あり、ゆとりのあるテラスになっています。

この日は、建主もいらして、施工状況をご説明しながら現場監理を進めました。

建主からは、

建主

ここで、お茶を飲むのが、
楽しみです。

「テラスの空間が楽しみ」と言われ、

Yoshitaka Uchino

設計者として、とても
嬉しく思いました。

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

内部から、テラスと製作サッシュを見てみます。

施工担当の現場監督とは、何度も図面をやりとりして、念入りに詰めて行ったサッシュ。

そのガラスと方立が完成し、とても嬉しいです。

Yoshitaka Uchino

イメージ
通りだ!

自分の思い描いていたイメージが、少しずつ現実となってゆきます。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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