前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:建築基準法を活かした骨太なデザイン〜60mmの厚さの木製階段・準耐火建築の階段〜」の話でした。
透明度を追求したスチールの製作サッシュ:開放的なイメージと防火設備
豊島の家の最も大事なコンセプトは、二階の建築に貫入するテラスです。
このテラスの周囲のガラスは、出来るだけスッキリと、シンプルに作りたいと思いました。
出来るだけ、サッシュが見えない「ガラス面」のようなサッシュを作りたいと考えました。
そこで、サッシュメーカーのサッシュではなく、スチールの製作サッシュを作ります。
模型では、上のように「まるでガラスだけ」のような開放的イメージです。
豊島の家は準防火地域にあり、準耐火建築のため、サッシュにも大きな制限がかかります。
ある範囲は、「防火設備」という特殊なサッシュにする必要があります。
「防火設備」とは名前の通り「防火仕様のサッシュ」であり、建築基準法の認定を通ったサッシュです。
マンションなどでは「防火設備のサッシュが普通」なのですが、木造の住宅では「防火設備は特殊」です。
そのため、コストがだいぶ高いです。
さらに、特殊構造のためにサッシュが少しゴツくなりますので、出来るだけ防火設備とならないように設計します。
「自分だけの空」を眺めるイメージ:都市の風景を室内に取り込む
豊島の家では、
リビングから空を眺める
イメージが大事です。
そこで、出来るだけ見付というサッシュの太さを小さくして、スリムにつくりました。
階段の時と同様に、設計図を元に工務店の現場監督と綿密に打ち合わせして、スッキリしたサッシュを作りました。
写真は、まだガラスをはめてない状況で「スチールサッシュのみ」です。
床から天井までの高さのあるガラスを、「安全に設置しながら出来るだけ細く」をイメージしました。
青いビニールシートで覆われた部分に、まもなくガラスが入ります。
サッシュの角を「ガラスの突きつけ」にしたことも大きなポイントです。
これで、「角にサッシュがない」デザインになり、スッキリとしたイメージになります。
そして、外部の都市の風景を室内に取り込むイメージです。
これから、
ガラスが入るのが楽しみです。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。