戸建住宅の工事現場のプロセス:透明度を追求したスチールの製作サッシュ〜開放的なイメージと防火設備・「自分だけの空」を眺めるイメージ・都市の風景を室内に取り込む〜|豊島の家19・東京の建築設計

前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:建築基準法を活かした骨太なデザイン〜60mmの厚さの木製階段・準耐火建築の階段〜」の話でした。

目次

透明度を追求したスチールの製作サッシュ:開放的なイメージと防火設備

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

豊島の家の最も大事なコンセプトは、二階の建築に貫入するテラスです。

このテラスの周囲のガラスは、出来るだけスッキリと、シンプルに作りたいと思いました。

出来るだけ、サッシュが見えない「ガラス面」のようなサッシュを作りたいと考えました。

そこで、サッシュメーカーのサッシュではなく、スチールの製作サッシュを作ります。

豊島の家:模型(新建築紀行)

模型では、上のように「まるでガラスだけ」のような開放的イメージです。

豊島の家は準防火地域にあり、準耐火建築のため、サッシュにも大きな制限がかかります。

ある範囲は、「防火設備」という特殊なサッシュにする必要があります。

「防火設備」とは名前の通り「防火仕様のサッシュ」であり、建築基準法の認定を通ったサッシュです。

マンションなどでは「防火設備のサッシュが普通」なのですが、木造の住宅では「防火設備は特殊」です。

そのため、コストがだいぶ高いです。

さらに、特殊構造のためにサッシュが少しゴツくなりますので、出来るだけ防火設備とならないように設計します。

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

「自分だけの空」を眺めるイメージ:都市の風景を室内に取り込む

豊島の家:ドローイング(新建築紀行)

豊島の家では、

Yoshitaka Uchino

リビングから空を眺める
イメージが大事です。

そこで、出来るだけ見付というサッシュの太さを小さくして、スリムにつくりました。

階段の時と同様に、設計図を元に工務店の現場監督と綿密に打ち合わせして、スッキリしたサッシュを作りました。

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

写真は、まだガラスをはめてない状況で「スチールサッシュのみ」です。

床から天井までの高さのあるガラスを、「安全に設置しながら出来るだけ細く」をイメージしました。

豊島の家:サッシュ工事(新建築紀行)

青いビニールシートで覆われた部分に、まもなくガラスが入ります。

サッシュの角を「ガラスの突きつけ」にしたことも大きなポイントです。

これで、「角にサッシュがない」デザインになり、スッキリとしたイメージになります。

そして、外部の都市の風景を室内に取り込むイメージです。

Yoshitaka Uchino

これから、
ガラスが入るのが楽しみです。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。

新建築紀行

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