竣工写真撮影で気づく新たな発見〜思いがけないイメージの撮影・自然の光のゆらめき・光を空間にすくいとる・撮影しながら思いつくこと〜|撮影現場の話2

前回は「竣工写真撮影〜大泉学園の家・建築空間のテーマと撮影のアングル・コンセプトを写真に表現・光るカメラマンの撮影アイデア・柱と人の動き〜」の話でした。

目次

自然の光のゆらめき:光を空間にすくいとる

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)

私たちの作品で、多く登場するスリット窓。

House-Oの和室のスリット窓は様々な検討をして、位置や幅の寸法などを決定しました。

時間による光の入り具合が変化する為、スリット窓のデザインはディテールを詰めて設計しました。

竣工写真を撮影しながら、スリットから差し込む自然の光をゆっくり眺めます。

Mana Muraki

イメージ通りの
光ですね。

Yoshitaka Uchino

綺麗な光が
掬い取れたね。

スリットからの絞られた、美しい光の様相をみていると、あることに気づきました。

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

この時間は、
庭にある植栽の木漏れ日が入り込むんだね。

Mana Muraki

先程までは、
見られなかった光景ですね。

Yoshitaka Uchino

揺らめいた感じがいいね。
動画撮影もしよう。

Mana Muraki

それはいいですね。
揺らめく自然のイメージですね。

新建築紀行
House-O Concept(新建築紀行)

スリットからの光の様々な様相をイメージして設計しましたが、木漏れ日のことは気づきませんでした。

Mana Muraki

木漏れ日がこんなにきれいに写るなんて、
思わなかったですね・・・

思いもよらないシーンに出会い、感動することもあります。

竣工写真撮影で気づく新たな発見:思いがけないイメージの撮影

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

ここは机だから、
椅子を用意したら良かったかな?

Yoshitaka Uchino

・・・・・

撮影をしながら、より空間イメージを表現できる撮影方法を思いつくこともあります。

Yoshitaka Uchino

この机に腰かけて撮影すると、
いい絵になりそうだね。

Yoshitaka Uchino

ちょっとこの机に、
腰かけてみてくれる?

Mana Muraki

わかりました。
こんな感じですか?

新建築紀行
大泉学園の家:竣工写真撮影(新建築紀行)
カメラマン

あ、
いいですね!

カメラマン

ここは、村木さんが入っていた方が、
俄然いいね!

新建築紀行
大泉学園の家:竣工写真撮影(新建築紀行)
カメラマン

もう少し足を、
内側にお願いできますか。

設計段階では机として検討したので、

Mana Muraki

本棚を並べてみたら、
いいのかな?

Mana Muraki

椅子が
必要なのかな?

「椅子があった方が良いかな」と思いました。

「机に腰掛ける」というのは、思いがけない体験でした。

Yoshitaka Uchino

机に腰掛けるイメージは
なかったね・・・

Mana Muraki

椅子よりもこっちの方が
この空間にはマッチしますね。

Yoshitaka Uchino

思いがけないイメージの
写真になったね!

撮影しながら思いつくこと

新建築紀行
大泉学園の家:竣工写真撮影(新建築紀行)

階段の撮影では、階段を上がったり降りたり、あるいは階段に座って撮影していました。

カメラマン

ちょっとゆっくり
降りてみて下さい・・・

新建築紀行
大泉学園の家:竣工写真撮影(新建築紀行)
Mana Muraki

こんな
感じですか?

カメラマン

うん、
いいですね!

ここで、ふと思いついたアイデアがありました。

Yoshitaka Uchino

吹き抜けの梁に、
肘を置いて眺めてみようか。

Mana Muraki

設計の時は、
考えてなかったイメージですね。

カメラマン

そのイメージ、
いいですね。

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)

そして、私が階段を登って、吹き抜けに肘を置いてみました。

Yoshitaka Uchino

いい雰囲気
だね。

Mana Muraki

なんだか
楽しい気持ちになりますね。

カメラマン

その肘を、
こっちに向けてみて。

色々な提案がある中、私自身も新たな発見があって、とても楽しくなりました。

梁と階段が一体になったイメージで、ディテールを詰めて設計しました。

このような撮影によって、梁が自然と空間に溶け込むようなシーンになりました。

Mana Muraki

梁が映える感じが
しますね。

竣工写真は、下記からご覧ください。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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