前回は「竣工写真撮影〜大泉学園の家・建築空間のテーマと撮影のアングル・コンセプトを写真に表現・光るカメラマンの撮影アイデア・柱と人の動き〜」の話でした。
自然の光のゆらめき:光を空間にすくいとる
私たちの作品で、多く登場するスリット窓。
House-Oの和室のスリット窓は様々な検討をして、位置や幅の寸法などを決定しました。
時間による光の入り具合が変化する為、スリット窓のデザインはディテールを詰めて設計しました。
竣工写真を撮影しながら、スリットから差し込む自然の光をゆっくり眺めます。
イメージ通りの
光ですね。
綺麗な光が
掬い取れたね。
スリットからの絞られた、美しい光の様相をみていると、あることに気づきました。
この時間は、
庭にある植栽の木漏れ日が入り込むんだね。
先程までは、
見られなかった光景ですね。
揺らめいた感じがいいね。
動画撮影もしよう。
それはいいですね。
揺らめく自然のイメージですね。
スリットからの光の様々な様相をイメージして設計しましたが、木漏れ日のことは気づきませんでした。
木漏れ日がこんなにきれいに写るなんて、
思わなかったですね・・・
思いもよらないシーンに出会い、感動することもあります。
竣工写真撮影で気づく新たな発見:思いがけないイメージの撮影
ここは机だから、
椅子を用意したら良かったかな?
・・・・・
撮影をしながら、より空間イメージを表現できる撮影方法を思いつくこともあります。
この机に腰かけて撮影すると、
いい絵になりそうだね。
ちょっとこの机に、
腰かけてみてくれる?
わかりました。
こんな感じですか?
あ、
いいですね!
ここは、村木さんが入っていた方が、
俄然いいね!
もう少し足を、
内側にお願いできますか。
設計段階では机として検討したので、
本棚を並べてみたら、
いいのかな?
椅子が
必要なのかな?
「椅子があった方が良いかな」と思いました。
「机に腰掛ける」というのは、思いがけない体験でした。
机に腰掛けるイメージは
なかったね・・・
椅子よりもこっちの方が
この空間にはマッチしますね。
思いがけないイメージの
写真になったね!
撮影しながら思いつくこと
階段の撮影では、階段を上がったり降りたり、あるいは階段に座って撮影していました。
ちょっとゆっくり
降りてみて下さい・・・
こんな
感じですか?
うん、
いいですね!
ここで、ふと思いついたアイデアがありました。
吹き抜けの梁に、
肘を置いて眺めてみようか。
設計の時は、
考えてなかったイメージですね。
そのイメージ、
いいですね。
そして、私が階段を登って、吹き抜けに肘を置いてみました。
いい雰囲気
だね。
なんだか
楽しい気持ちになりますね。
その肘を、
こっちに向けてみて。
色々な提案がある中、私自身も新たな発見があって、とても楽しくなりました。
梁と階段が一体になったイメージで、ディテールを詰めて設計しました。
このような撮影によって、梁が自然と空間に溶け込むようなシーンになりました。
梁が映える感じが
しますね。
竣工写真は、下記からご覧ください。
次回は上記リンクです。