竣工写真撮影と様々な「設計の気づき」〜シルエットと建築・生活感とスケール感〜|撮影現場の話3

前回は「竣工写真撮影で気づく新たな発見〜思いがけないイメージの撮影・自然の光のゆらめき・光を空間にすくいとる・撮影しながら思いつくこと〜」の話でした。

目次

シルエットと建築

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)

建築の写真でよく見かける、人物だけがブレてシルエットのようになるシーンがあります。

Mana Muraki

あれは、人が走り去ったりしている
瞬間を捉えているのかな?

このように思っていましたが、実は違いました。

実際は、カメラのシャッタースピードを遅くして、動く人物を撮影するという手法でした。

カメラマン

柱が並ぶデザインを
写真で表現してみましょう。

カメラマン

村木さん、柱の間を
歩いてみてくれますか。

それでも、のんびり歩くとあまりシルエットの様にはなりません。

走るまでではなくとも、テキパキと早歩きで何度も空間を行き来します。

Mana Muraki

この撮影は、
ちょっとした運動になるな。

こう思った程、一日中動き回っていました。

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)
カメラマン

今度は、柱の間のこの辺りを、
蛇行してみて。

Mana Muraki

こんな感じ
ですか?

カメラマン

うんうん。
いいね。

カメラマン

そこの柱の辺りで、
もう一度、色々な動きをしてみて。

Mana Muraki

こういう感じでは、
いかがでしょうか?

カメラマン

そう、
いいですね!

カメラマンの方が、次々に沢山の写真を撮影します。

緊張しながら、楽しみながら、柱の間を動き回りました。

Mana Muraki

自分がこうして、設計した空間を動き回るとは
思わなかったな・・・

カメラマンの方は、撮影モデルにもやる気を与えてくれる存在です。

竣工写真撮影と様々な「設計の気づき」

新建築紀行
大泉学園の家:竣工写真撮影(新建築紀行)
カメラマン

ちょっと、
待ってくださいね・・・

Mana Muraki

何かご要望が
ありますか?

カメラマン

ちょっと撮影した写真が多すぎて、
電池が切れました。

カメラマン

電池交換するから、
少し待ってください。

ここで、カメラマンの方が電池交換する間、小休憩です。

カメラマン

この時間で、
こんなにたくさんの建築撮影したのは初めてです。

カメラマンの方が「たくさん撮影する気になる」のは、設計者として、とても嬉しいことです。

Yoshitaka Uchino

竣工撮影だけど、
村木さんの撮影会みたいだね。

カメラマン

ははは。
確かにそうですね。

カメラマン

良い写真、
たくさん撮りますよ!

Mana Muraki

嬉しいけど、
緊張するな・・・

緊張しながらも、たくさんの動き回る写真を撮影して頂きました。

Mana Muraki

でも、こうして歩いたり動きながら撮影していると、
色々な気づきがあります。

この日の竣工撮影だけで、様々な設計の気づきがありました。

生活感とスケール感

新建築紀行
大泉学園の家:竣工写真撮影(新建築紀行)

ここで、少し生活感・スケール感を出してみました。

生活感・スケール感を捉えるという点では、棚に本を並べる事も見せ方の一つです。

表紙が美しい建築の本などは、写真で映えるということもありますが

本を置くことで、本棚のサイズ・空間のスケールが把握し易くなります。

Mana Muraki

この辺りに、
この程度でいいですか?

Yoshitaka Uchino

もう少しこっちにも
本を置こうか。

カメラマン

その作品集の本を読んで、
足をここにして。

Mana Muraki

こんな
感じですか。

カメラマン

そうそう。
いいね。撮りますよ!

新建築紀行
大泉学園の家:竣工写真撮影(新建築紀行)

レイアウトなども考えながら配置します。

時間をかけてようやく出来上がったプロジェクトを、改めて目の当たりにすると感慨深いです。

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)

その為、一つ一つの撮影にもとても強い思い入れがあります。

カメラマン

ここでは、村木さんが
キッチンの引き戸を開いたり、閉めたりしてみてください。

Mana Muraki

分かりました。
こんな感じですか?

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)
カメラマン

おっ、
いいですね!

カメラマン

こんどは、
こっちの方に来て、開いてみてください。

Mana Muraki

分かりました。
こんな感じで、いかがですか。

新建築紀行
大泉学園の家(新建築紀行)
カメラマン

うんうん、
いいね!

カメラマン

今日は撮影していて、
僕も楽しいですよ!

思いを形にして表現する、それが誰かの為になるという事は、

Mana Muraki

やりがいを
感じる!

大いなるやり甲斐を感じます。

建て主の方々に、

依頼者

この建築が
出来て良かった!

こう思って頂き、私たちも

Mana Muraki

この建築を設計させて
頂いて良かった!

「良かった」と思えるような設計を、これからも続けたいです。

竣工写真は、下記からご覧ください。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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