前回は「色々な選択肢の中から、たどり着く設計案③」の話でした。
戸建住宅のリビングの配置:1階か2階か
こんにちは。
練馬の家では、建主のご要望は、
リビングは明るい感じにしたいので、
2階にして下さい。
「リビングを明るく」が第一の要望でした。
建主の希望は最優先で考えておりますが、私たちは、
様々な条件や要素を検討して、
設計・デザインを検討します。
一般的に「1階より2階の方が明るい空間」になるため、建主は「リビングを2階」と希望しました。
現地調査で敷地条件や
周囲の状況を詳細にチェックしました。
様々な検討を重ねた結果、
計画地は南側と西側に接道していて、
特に南側は、南に伸びる道路と接続しているから・・・
この住宅は、リビングが1階でも
十分明るい空間になると思う・・・
建主の希望の理由が満たされるならば、「リビングが1階」も検討対象になります。
「暗いリビング」の理由とデザインの解決
今、リビングが1階ですが、
少し暗い感じです・・・
確かにリノベーション前のリビングは、「ほの暗い」雰囲気だったリビング。
リノベーションしたら、
子どもと一緒に明るいリビングで過ごしたいです!
という建主のご希望は、なんとしても叶えたいです。
なぜ、南側に道路があって、開けているのに
1階のリビングが「ほの暗い」のだろう・・・
暗い理由を考えながら現地調査を続けたら、理由が分かりました。
リノベーション前には、1階リビングの南に面して、お庭がありました。
「お庭がある」ならば「光が入って明るく」なるように感じますが、
お庭の空間は活かされてなく、
昔からの樹木が、リビングに影を落としていました。
「リビングが暗い」理由はもう一つあり、「2階のバルコニー・バルコニーを支える柱による影」でした。
これらの、影を作る要素である樹木を
デザインすれば、子どもも1階の方が過ごしやすそう・・・
1階を
リビングにする方が良いな。
「1階リビングの方が良い」と判断しました。
リビングが2階というご希望ですが、
1階のリビングも良さそうです。
お庭やバルコニー、そして窓を上手くデザインすれば、
1階がリビングでも、十分明るくなりそうです。
子どもも、リビングが1階の方が
良いように思います。
明るいリビングに出来るならば、
1階でも良いです。
そして、建主に設計案を説明し、ご納得頂きました。
1階リビングのメリット
1階をリビングとして、とても良かったです。
まずは、リビング内に既存の柱が、あまり出てこないという点です。
リノベーション後も1階リビングだと、
もともと1階がリビングだったので、
同様に広い空間が取りやすいです。
特に、小さな子どもがいるご家庭のリビングは柱が少ない方が良いですね。
唯一柱が出来てくるところは、もともと収納があった場所です。
そこは本棚と机を設置して、それらと柱を一体化させるデザインにしました。
リノベーションならではの、
「柱を活かす」デザインです。
柱の存在が、違和感のない空間になりました。
机を支えるという役割も果たしているので、とても合理的です。
テラスと一体化させた開放的リビング:空のリビング
次に良かったことは、「テラスと一体化させたリビング」がつくれたことです。
以前は、2階にベランダがありました。
ベランダによって、1階のリビングに光が入りにくくなっていました。
1階のリビングを明るくするために、「2階のベランダをなくす」ことも選択肢に入りました。
そして、ベランダの代わりに「使われていなかった庭」に着目しました。
既存の庭に、大きな木のテラスをデザインしました。
そこで、
ベランダをなくして、
リビングを明るくしませんか。
ベランダに干していた衣類等は、
テラスに干すことができます。
設計案を説明しました。
1階の洗濯機から2階のバルコニーに衣類を運ぶのが
大変だったので、1階で干せるのはいいですね。
乾燥機も良いですが、衣類・布団などを干したい時って、ありますよね。
テラスでご家族でくつろいだり、子どもが遊んだり、
衣類等を干す機能もあります。
さらに、テラスに向けて開かれた大きな窓で
リビングには燦々と太陽の光が差し込みます。
とてもいい案ですね!
この案でお願いします。
こうして、ベランダの機能も持つテラスになりました。
そして、テラスは「外のリビング」となり「空のテラス」にもなります。
当初の希望ではなく、
考えていただいた「1階リビング」の方が、全然いいですね!
「建主のご希望」とは別の設計案を考えた結果、建主に喜んで頂き、
私たちも
とても嬉しく思いました!
次回は上記リンクです。
完成写真は下記からご覧ください。