前回は「地中海の美しい島々 13〜不思議な印象の路地空間・ピンク色の窓・ミコノス島・ギリシャ〜」の話でした。
広い路地空間
狭い路地が続きましたが、再び広い路地に出ました。
2段ほどの段差が心地よいです。
この僅かな段差は、バリアフリーの観念からは反しますが、少しの段差は楽しいです。
狭い路地にお店のオーニングが出ています。
少し暗い感じになりますが、陰影が出て、それもまた良い味になります。
オーニングが出ていると、その部分がお店の空間として「領域化」されます。
そして、公私の空間が混ざり合って、複雑な風味をもたらします。
右手に、しっかりとした扉のある建物が出てきました。
4段ほど上がるのは、珍しいので「少し高い」と感じます。
看板が立っているので、教会か人が集まる場所かも知れません。
陰影の空間と陰翳礼讃
再び、細い路地に出てきました。
手前側は、少し暗い感じになります。
すると、空からの光が明るく感じられます。
この日は、曇りでしたが、路地の空間は「陰影の空間」とも言えます。
「陰翳礼讃」という谷崎潤一郎の日本語の書籍があります。
この本は、美術関係者をはじめとして大勢の方から非常に高い評価を受けている、日本文化に関する書籍です。
西洋文化に対して、日本文化を陰翳から考察した非常に深い本で、読むたびに発見があります。
国内外の建築家にも大きな影響を与え続けている「陰翳礼讃」。
「光と影」とよく言われますが、それとは少し異なる視点から考えられた「陰翳」から建築を考えた谷崎。
ふくよかな陰翳をもつ建築を作り出したいと考えています。
歩いて楽しい「道空間」の熊本の家では、歩いた先にトップライトの自然光が輝きます。
テラスもあるので、全体的に明るい空間ですが、「自然の光の演出」を考えました。
引き続き、路地を歩いてみましょう。
次回は上記リンクです。