自然光の入るあたたかな住まい〜建築に貫入するテラスと自然の光・自然と建築の境界を柔らかくするデザイン〜|熊本の家1・東京の建築設計

前回は「自然の光とリビング・木のテラス・開放的な広場〜あたたかな住まい・豊島の家〜」の話でした。

目次

建築に貫入するテラスと自然の光

熊本の家:外観(新建築紀行)

建築に貫入するテラスが特徴的な熊本の家。

このテラスは外部ヴォイドとなり、自然の光や風を内部空間に呼び込みます。

新建築紀行
豊島の家:外観(新建築紀行)

豊島の家と同様に「有機的ヴォイド」のアイデアで設計しました。

南側に開けている敷地状況も、似ています。

大きな違いは、熊本の家ではテラスに吹き抜けが面していないことです。

豊島の家に比べて、2階に必要な部屋数が多いことが大きな理由です。

また、建主の

依頼者

2階の子ども部屋は
全て南に面させて欲しいです。

「子ども部屋は南向きに」という要望から、テラスに吹き抜けが面しない空間構成となりました。

自然光の入るあたたかな住まい

熊本の家:模型

「テラスを通して、柔らかく変化する自然の光を1階リビングに届けたい」と考えました。

Yoshitaka Uchino

平面的にスリット状に切った吹き抜けを、
テラスの付近に配置しました。

細長い吹き抜けは上部の空間をつなげて、2階の子ども部屋とリビングを立体的につなげます。

Mana Muraki

子どもが小さいうちは、家族全体の温もりを
感じられる空間にしたいと考えました。

テラスから取り込む自然の光は、壁面を反射して柔らかな光へと変化して、1階に降り注ぎます。

新建築紀行
熊本の家:吹抜(新建築紀行)

テラスからもたらされる自然の光は、内部空間を満たして、明るい空間になります。

そして、室内の様々な部屋や場所から「テラスを介して空を見る事ができる」空間です。

Yoshitaka Uchino

1階のリビングから、
雲の動きを見る事ができます。

吹き抜け越しに、テラスを介して空が見える住まいでは、子どもがのびのび成長するでしょう。

新建築紀行
熊本の家:テラスから夕日を見る(新建築紀行)

自然と建築の境界を柔らかくするデザイン

熊本の家:リビング(新建築紀行)

リビングにはトップライトからの光が差し込みます。

新建築紀行
熊本の家:吹抜(新建築紀行)

トップライトの自然の光は、強くなったり弱くなったり、季節や時刻によって変化します。

Mana Muraki

時事刻々変化する
トップライトの光は、変化を感じるのが心地よいです。

新建築紀行
熊本の家:コンセプト模型(新建築紀行)

デザインはシンプルな箱型のボリュームで、自然と建築の境界を柔らかくするデザインを目論みました。

新建築紀行
熊本の家:2階の廊下(新建築紀行)

道空間である、2階の子ども部屋をつなぐ廊下からは、テラス越しに空が見えます。

男の子

今日は雲が少なくて、
青空が広がっているね・・・

あるいは、

女の子

今日はちょっと雲が多いけど、
雲が動くのが見えるね・・・

このように、子どもたちが、室内にいながら自然を感じてくれることを期待しています。

Yoshitaka Uchino

青空であったり、雨天であったり、その時々の空の表情を
垣間見せます。

Mana Muraki

「自然をいつも感じてほしい」というイメージで
設計しました。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。


新建築紀行

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