前回は「自然の光とリビング・木のテラス・開放的な広場〜あたたかな住まい・豊島の家〜」の話でした。
建築に貫入するテラスと自然の光
建築に貫入するテラスが特徴的な熊本の家。
このテラスは外部ヴォイドとなり、自然の光や風を内部空間に呼び込みます。
豊島の家と同様に「有機的ヴォイド」のアイデアで設計しました。
南側に開けている敷地状況も、似ています。
大きな違いは、熊本の家ではテラスに吹き抜けが面していないことです。
豊島の家に比べて、2階に必要な部屋数が多いことが大きな理由です。
また、建主の
2階の子ども部屋は
全て南に面させて欲しいです。
「子ども部屋は南向きに」という要望から、テラスに吹き抜けが面しない空間構成となりました。
自然光の入るあたたかな住まい
「テラスを通して、柔らかく変化する自然の光を1階リビングに届けたい」と考えました。
平面的にスリット状に切った吹き抜けを、
テラスの付近に配置しました。
細長い吹き抜けは上部の空間をつなげて、2階の子ども部屋とリビングを立体的につなげます。
子どもが小さいうちは、家族全体の温もりを
感じられる空間にしたいと考えました。
テラスから取り込む自然の光は、壁面を反射して柔らかな光へと変化して、1階に降り注ぎます。
テラスからもたらされる自然の光は、内部空間を満たして、明るい空間になります。
そして、室内の様々な部屋や場所から「テラスを介して空を見る事ができる」空間です。
1階のリビングから、
雲の動きを見る事ができます。
吹き抜け越しに、テラスを介して空が見える住まいでは、子どもがのびのび成長するでしょう。
自然と建築の境界を柔らかくするデザイン
リビングにはトップライトからの光が差し込みます。
トップライトの自然の光は、強くなったり弱くなったり、季節や時刻によって変化します。
時事刻々変化する
トップライトの光は、変化を感じるのが心地よいです。
デザインはシンプルな箱型のボリュームで、自然と建築の境界を柔らかくするデザインを目論みました。
道空間である、2階の子ども部屋をつなぐ廊下からは、テラス越しに空が見えます。
今日は雲が少なくて、
青空が広がっているね・・・
あるいは、
今日はちょっと雲が多いけど、
雲が動くのが見えるね・・・
このように、子どもたちが、室内にいながら自然を感じてくれることを期待しています。
青空であったり、雨天であったり、その時々の空の表情を
垣間見せます。
「自然をいつも感じてほしい」というイメージで
設計しました。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。