土間をSOHOとして活用するシェアハウス①〜既存マンションのリノベーション・シェアハウスへリノベーション・外国人向けシェアハウスのコンセプト・日本の空間らしさ・DOMA-SOHO|東京の建築設計

前回に「本棚の柱:リノベーションの設計プロセス⑧」の話でした。

目次

既存マンションのリノベーション

こんにちは。

今回は、都心にある集合住宅が今回の舞台です。

既存の集合住宅一棟を、全面的にリノベーションする案についてお話ししたいと思います。

以前、既存の社員寮を、全面的にリノベーションを行い、新たな集合住宅にする設計を行った実績があります。

社員寮を集合住宅へリノベーション(新建築紀行)
不動産会社A

あのプロジェクトのように、
既存の建物を再生してほしい。

数年前に設計し、完成したリノベーションの評判が良かったこともあり、続けてご依頼いただきました。

社員寮を集合住宅へリノベーション(新建築紀行)

この時は、ワンルームタイプが中心の住戸が多かったため、既存空間を転用するのに大きな制約がありました。

20m2程度のワンルームマンションの住戸の間には、鉄筋コンクリートの壁が沢山ありました。

しかも、それらの鉄筋コンクリートの壁が「構造」だったため、手を入れることが非常に難しい状況でした。

社員寮を集合住宅へリノベーション(新建築紀行)
Mana Muraki

面積が狭い住戸の空間に
広がりが生まれる設計をしました。

この時は、設計期間が短く、制約が非常に強い中、「既存空間を最大限活かす」工夫をしました。

シェアハウスへリノベーション

新建築紀行
東京の街・都市(新建築紀行)

この時の実績から、同じ大手不動産会社から、設計の依頼がありました。

都心にあるマンションを、シェアハウスにリノベーションにする計画です。

大きく違うのは、「集合住宅」と「シェアハウス」と用途が異なることです。

さらに、メインターゲットは、外国からいらっしゃる方です。

不動産会社A

既存の鉄筋コンクリート造の集合住宅を
シェアハウスに再生してほしい。

不動産会社A

最近、増加している
訪日客を意識して欲しい。

「集合住宅」から「シェアハウス」へ転用するには、建築法規の違いも、しっかり検討する必要があります。

法規上のことは、適宜対応するとして、最も大事なことはコンセプトです。

外国人向けシェアハウスのコンセプト:日本の空間らしさ・DOMA-SOHO

みそら幼稚園:2階廊下(新建築紀行)

この設計を依頼される少し前に完成した、リノベーションのみそら幼稚園。

みそら幼稚園のリノベーションの際にも、デザインコンセプトを明確にすることが最重視しました。(上記リンク)

デザインの結果現れる「形・色・素材」などは、デザインコンセプトが固まった後に生まれることと考えます。

みそら幼稚園・既存の集合住宅のリノベーションは「同一の用途」であることが、大事です。

「用途が同じ」ということは、建主の向いている方向性は「根本的には不変」となります。

ところが、今回は「集合住宅・:住まいの集合」から「シェアハウス:共同生活の空間」へ変更する設計。

「集まって住む」ことは同じですが、「シェアハウス」は、より「共同生活感」が強くなります。

私たちは、どのようなライフスタイルが、現代の需要に合うかを考えました。

共用空間とプライベート空間をどのように分けるか、を様々考えました。

不動産会社A

訪日客の数日間の宿泊所にも、
対応できるようにして欲しい。

Yoshitaka Uchino

数日間〜長期にわたって、共同生活を
する空間への転用・・・

Yoshitaka Uchino

リビングやキッチンは、
共用部に計画しよう。

Mana Muraki

プライベートの住戸部分に、
特色を作りたいですね。

Yoshitaka Uchino

多目的な活動が出来る場が、
あると面白いね。

そこで考え付いた案は、

Yoshitaka Uchino

各住戸に、
広い土間を作ろう。

Mana Muraki

土間は、
欧米の方には珍しいですね。

Mana Muraki

それは大きな特徴に
なりますね。

DOMA-SOHO:模型(新建築紀行)

リノベーションなので、各住戸の面積は限られています。

鉄筋コンクリート造の既存の建物の、住戸間の壁は一部撤去できます。

そのためには、構造的な検討や申請が必要となり、時間がかかります。

Yoshitaka Uchino

各住戸の骨格は、
変えないようにしよう。

Mana Muraki

コストを抑えることに
つながりますね。

こうして、「広い土間を持つ」住まいの設計が始まりました。

土間を中心とする「SOHO:OK」の住まいのシェアハウス。

そこで、私たちはプロジェクト名を「DOMA-SOHO」としました。

デザインコンセプトが、そのままプロジェクト名称になりました。

デザインコンセプトが決まり、これから詳細な設計を一気に詰めてゆきます。

次回は上記リンクです。

新建築紀行

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