前回は「そびえ立つような天守閣を持つ高知城〜天守閣の石垣を消す樹木たち・「先進的設備設計」と石樋・緻密な石垣はどう作るのか?〜」の話でした。
日の丸が掲揚されている天守閣前広場:交互に編んだようなデザインの石垣

かなり雄大な風格を持つ高知城。
・姫路城(兵庫県姫路市)
・彦根城(滋賀県彦根市)
・犬山城(愛知県犬山市)
・松江城(島根県松江市)
・松本城(長野県松本市)
・丸亀城(香川県丸亀市)
・丸岡城(福井県坂井市)
・宇和島城(愛媛県宇和島市)
・備中松山城(岡山県高梁市)
・高知城(高知県高知市)
・弘前城(青森県弘前市)
・松山城(愛媛県松山市)
高知城は、貴重な現存十二天守の一つです。

豪華は姫路城は別格としても、現存十二天守でこれほど雄大な城は珍しいです。
姫路城に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

そして、1602年から着工した高知城は、雨水排水のための石樋が設置されていて、大変先進的です。

石段を上がってゆき、天守閣に向かいます。
上の写真を見ると、石垣が交互に編まれるように配置されていて、優美なデザインです。

いくつかの大きな階段を上がって、ようやく天守閣と同じレベルに到達しました。
上の写真では、上がった階段の一つを振り返っていますが、かなりの高低差があります。
このような高低差がある階段を3〜4ほど登ってきました。

そして、ようやく天守閣の目の前に到達しました。

天守閣の前には、日の丸が掲揚されていて、とても良い雰囲気でした。
ボリュームが貫入する木造軸組建築の御殿:典雅に優しく広がる自然光

天守閣前にある小さな建築に入ると、日本古来の軸組建築で、梁せいが大きな梁が出迎えてくれます。
典型的な真壁構造であり、窓から差し込む光が優しく広がります。

このゲートのような存在の建物を出ると、いよいよ天守閣の目の前に至りました。
天守閣の傍には、平屋の別棟の建築があります。

この平屋の建築は、御殿のような建築です。
上の広間は、藩主や幹部たちが政務を執った座敷と思われます。
畳が一段上がっている部分に藩主が座っていたのでしょう。

この優美な木造軸組建築は、柱が際立った存在感を放っています。
西洋の建築と異なり、昔から柱梁の木造軸組建築であった日本建築は、高い開放性を持っていました。

この御殿のような建築は、ほぼ正方形に近いボリュームに長方形ボリュームが二つ接続しています。
そして、一つの長方形のボリュームは斜めに貫入するようなデザインで、非常に特徴的です。
桂離宮など、日本古来の木造軸組建築は、柱がグリッド上に乗っているプランが多く、非常に稀な建築です。

障子と襖を典雅に、優しく彩る自然の光は、日本の木造軸組建築の大きな特徴です。
この御殿は、典型的であり、上記の斜め貫入のような異質さもある際立った日本建築と考えます。
次回は天守閣内部に向かいます。

