最小限に手を加えた学校リノベーション「河辺ふるさとの宿」〜「どこまで手をいれるか?」が最重要のリノベーション・難しい木造リノベ〜|愛媛県河辺町2・日本の旅紀行

前回は「大人が小学生に戻れる優しい宿「河辺ふるさとの宿」〜瀬戸内の海と山が心地よい究極の空間・愛媛県〜」の話でした。

目次

最小限に手を加えた学校リノベーション「河辺ふるさとの宿」

New Architectural Voyage
河辺ふるさとの宿(新建築未来紀行)

2025年夏休みに、愛媛県川辺町の「河辺ふるさとの宿」に宿泊しました。

最近増えている、小学校廃校などに伴い、リノベーションして宿泊施設に転用した施設の一つです。

おそらく、外観は、メンテナンス上の手を加えたのみで、「小学校時代のまま」と思われます。

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河辺ふるさとの宿(新建築未来紀行)

内部空間も、大きくは手を加えられてなく、当時の廊下がそのままに使われている様に感じられます。

典型的な片廊下タイプの学校建築で、シンプルな平面です。

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河辺ふるさとの宿(新建築未来紀行)

2階には広いテラスがあり、かつて使用されていたと思われる木製の机と椅子が置いてありました。

エントランス上部にある、このテラスの空間はとても気持ち良いです。

Yoshitaka Uchino

昔、学校だった頃は
このテラスはどうなっていたのだろう?

学校だった時代、このテラスがどのような空間であったかは、興味があります。

2階は各部屋に仕切られており、おそらく昔の教室の部屋を小さく区切ったと思われます。

そして、片廊下につながる外部テラスのこの空間は、昔も同様にテラスであったと考えます。

広い計画地にゆとりを持って建てられた学校建築では、山と川に囲まれた空間が満喫できたのでしょう。

「どこまで手をいれるか?」が最重要のリノベーション:難しい木造リノベ

新建築紀行
練馬の家:解体工事(新建築紀行)

近年増えているリノベーションは、私たちも多数手がけてきました。

木造戸建住宅のリノベーションも多く、木造建築は木造特有の難しさがあります。

練馬の家のリノベーションに関する話を、上記リンクでご紹介しています。

新建築紀行
練馬の家:解体工事(新建築紀行)

木造建築は、30年ほど経過すると必ず腐食したり弱っている部分が出てきます。

そのため、腐食や脆弱な部分は交換する必要がありますが、「どこまで手を入れるか?」が最重要です。

場合によっては、新築よりもコストがかかることもあるリノベーション。

その「コストがかかる」最大の理由は、工事を行う手間、つまり人件費です。

新築ならば「想定通りにいく」ことが、なかなか「想定通りにいかない」ことも多いリノベーション。

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河辺ふるさとの宿(新建築未来紀行)

ここ「河辺ふるさとの宿」では、教室を小さく仕切るなどの最小限のプラン変更のリノベーションと思われます。

そして、古い木造建築を上手く活用しています。

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河辺ふるさとの宿(新建築未来紀行)

外壁の木材の外装材は、傷みやすく「手がかかる」材料ですが、昔の学校の雰囲気を醸し出しています。

この外装材を最近の新建材などに変更すれば、メンテナンスも楽になりますが、木造の風合いは大きくダウンします。

古い木造学校建築を大いに活かした空間である、河辺ふるさとの宿。

四国方面、とくに愛媛に行く機会があったら、ぜひ宿泊してください。

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