前回は「質実剛健な優美さを持つ木造建築・犬山城〜「天守国宝指定の五城」・木造らしい「しなやかな」外観〜」の話でした。
犬山城と猿田彦神社:日本古来の木造建築が持つ「しなやかさ」
現在の愛知県と岐阜県の県境、木曽川のほとりに建つ犬山城を訪問しました。
・姫路城(兵庫県姫路市)
・彦根城(滋賀県彦根市)
・犬山城(愛知県犬山市)
・松江城(島根県松江市)
・松本城(長野県松本市)
日本に5つしかない、国宝指定の天守を持つ犬山城は、建築史上も類例を見ないほど重要です。
現代では、大規模な木造建築な「金物を使用する設計」でなければ、原則として施工できません。
大規模な木造建築で、
日本古来の軸組工法である犬山城などは・・・
軸組工法の成り立ちなど
意匠や建築史だけではなく、構造面でも重要です。
木造建築は、金物を設置した方が頑丈になることは当然のことです。
一方で、日本古来の軸組工法による「しなやかさ」も構造設計上、重要な要素です。
小高い山に建つ犬山城に向かって歩いてゆくには、山道の歩道を歩いてゆきます。
途中、猿田彦神社という神社があり、「神社を通ると犬山城へ近道」と書いてありました。
筆者は神社を訪れることが
好きなので、猿田彦神社に寄りました。
近道でもあるので、猿田彦神社でお参りして犬山城へ。
「赤い連続した鳥居」は、比較的よく見かけますが、なかなか優美な雰囲気です。
小高い山城の道空間
さらに坂を歩いてゆき、犬山城へと向かいます。
思っていたよりも、坂が長く、距離も長いですが、
景色が変わる道空間は、
歩いていて、楽しいです。
無骨な石垣が見えてきて、「戦国時代の香り」が感じられます。
石と石の間に隙間がありますが、
崩れずに、しっかりしています。
昔の大工さんの勘で作ったと
思われますが、構造的にも面白いです。
もうすぐ犬山城の入り口になりますが、まだまだ坂道が続きます。
曲がった道空間も良いですが、このように軸が通っている道空間は、
軸がしっかりあると、
落ち着きますね。
ようやく、犬山城の入り口に至りました。
木曽川河畔から犬山城を眺めていた時は、もう少し短時間で到達すると思いましたが、思いの外時間がかかりました。
下部の無垢の木材と、上部の白い漆喰のボリュームが美しい門です。
やっと犬山城の天守閣に到着しました。
こぢんまりとした城郭建築ですが、木曽川河畔からも見えた「最上階の木製扉」が良い雰囲気です。
彦根城を訪問した時の話を、上記リンクでご紹介しています。
城を訪問するときは、天守閣などの建築本体だけでなく、「到達するまでの道空間」も楽しみです。
比較的平地に建つ彦根城では、坂道は少なめでしたが、
小高い山にある犬山城は、
結構坂道が多かったです。
坂道・スロープ状の道空間は、
様々なデザインの広がりがあると思います。
スロープの道空間の展開を考えながら、天守閣へ至りました。
次回は、天守閣内部を訪問する話です。