前回は「犬山城と猿田彦神社〜日本古来の木造建築が持つ「しなやかさ」・小高い山城の道空間〜」の話でした。
無骨な木造軸組建築の犬山城:木造建築を支える石垣基礎

いよいよ犬山城の天守閣内部に入ってゆきます。

小高い山の上にある犬山城までは、結構距離もあり、坂道であったこともあり、

意外と時間がかかりましたが、
楽しい道空間でした。
・姫路城(兵庫県姫路市)
・彦根城(滋賀県彦根市)
・犬山城(愛知県犬山市)
・松江城(島根県松江市)
・松本城(長野県松本市)
日本に五つしかない、国宝の天守閣へ上がってゆきます。


天守閣内部に入ると、石垣で囲われた部屋から、階段で上がってゆきます。
天守閣や城内で石垣が見受けられることは、比較的少ないです。



これらの石垣が
天守閣の基礎となります。


現代は、全て鉄筋コンクリートで作る建物の基礎は、かつての日本建築では石で作っていました。
形状が様々で、構造特性に「ばらつき」がある石ですが、



しっかり作られていて、
びくともしない様子が分かります。
大きな上部の木造建築を支える石垣の基礎は、現代の技術でも作るのは大変そうです。
無骨で美しい木の模型


階段を上がると、いかにも城の内部の光景が見られます。
7寸(21cm)ほどありそうな、太い柱と梁によって、構造が作られています。
板張りの床は、現代の無垢フローリングとも似ていますが、木の風合いがより強く感じられます。


ハシゴのような傾斜の階段がありました。
古来からの城郭建築などでは、このような「急勾配すぎる」階段が多く見受けられます。
「蹴上が踏面の2倍程度」という、かなり急な階段で、登るのは一苦労ですが、



無垢の木の階段は、
しっかり作られていて、頼もしいくらいです。


外壁側の真壁と漆喰の壁に対して、内側は上部は漆喰で、下部は木の壁です。
質感がハッキリ分かれていて、空間構成が明確です。


犬山城は別名「白帝城」とも言われ、大きさは小さいですが、古来から優美さを知られていました。
この優美な古城の木の模型が展示してありました。
とても精巧な模型で、



湾曲した屋根や
細かな壁面の意匠が再現されています。
様々な城の内部には、このような模型が展示されていることが多いですが、無骨で美しい木の模型です。
至る所で、「無骨な優美さ」を醸し出している犬山城。
ぜひ、訪問してみて下さい。
次回は上記リンクです。