前回は「アイデア:揺らめく自然~自然の光と風・中庭・雨・石神井公園の集合住宅~」の話でした。
揺らめく自然:光と風が駆け巡るイメージ
今回は、茨城の家における「揺らめく自然」の話です。
住宅の設計の際には、光と風が通り抜けて駆けめぐるようなイメージを考えます。
光と風を取り込むために、コンセプトを具現化するデザインや空間をつくります。
茨城の家ではリビングに大きな吹抜をつくりました。
この大きな光に多様な光が舞い込んできて、空間を駆け巡るイメージで設計しました。
ガラスブロックを透過する光
大きな吹き抜けの壁面にはガラスブロックを置きました。
正方形のガラスブロックを数多く並べ、ガラスブロック全体も正方形になるようにデザインしました。
テラスからは自然に光がバウンスして吹き抜けの空間を満たします。
対して、ガラスブロックを透過する自然光は、ほんのりとした光に変容します。
テラスとガラスブロックから、
異なる光が注ぎ込むイメージです。
ガラスブロックは、自然の光りを柔らかく変容させて、異化します。
ガラスブロックを透過する光とガラスを透過する光の二種類の光が、様々なシーンを織りなします。
2階のテラスを、建築のボリュームを貫くように配置しました。
そして、1階のリビングルームは、様々な光で満たされます。
大小様々な吹き抜けから、
自然の光が注ぎ込みます。
うつろう光と深淵な美
これらの光は刻々変化し、うつろい、美を演出します。
ガラスブロックによって異化された自然の光は揺らぎ、たわめくようにうつろいます。
直方体のボリュームに、光の箱が貫入します。
光溢れる空間を
創り出しました。
貫入するテラスは、内部空間に光と風をもたらします。
内部空間において、
自然を感じられます。
夜には、昼の情景が反転して、ガラスブロックの光が都市を照らし出します。
まるで、巨大な灯籠のようにガラスブロックが輝きます。
昼は自然の光によって、夜は人工の光によって、建築に生命がもたらされるでしょう。
うつろう光が深淵な美をもたらすでしょう。
完成写真は、下記からご覧ください。
次回は上記リンクです。