マンションの建築工事のプロセス〜設計の前の大事な現地調査・建築基準法と条例のチェック・風致地区の強い規制・地鎮祭・「建築開始!」の強い気持ち〜|石神井公園の集合住宅1・東京の建築設計

前回は「設計とデザインの実務の流れとコンセプト〜最も大事な最初のイメージ・計画地を見て感じること・建主の要望とコンセプト〜」の話でした。

目次

設計の前の大事な現地調査

石神井公園の集合住宅:計画地(新建築紀行)

石神井公園の集合住宅の設計依頼を受けてすぐ、現地に向かいました。

石神井公園は僕が小学生の頃に何度か行ったことがある、非常に馴染み深い公園です。

Yoshitaka Uchino

懐かしいな・・・

社会人になってからは行かなくなっていた石神井公園。

今回の集合住宅の計画地は、石神井公園に隣接する、自然に恵まれた立地です。

石神井公園の集合住宅:配置図(新建築紀行)
Yoshitaka Uchino

この地に
「集まって住む」集合住宅を設計するんだ・・・

石神井公園の端に当たりますが、北から西にかけて石神井公園の大きな木々が広がります。

さらに南側には大きな寺院があり、寺院にある大きな木もまた計画地の大きな特徴です。

いわば、三方を広大な自然に囲まれた、東京都は思えないほど恵まれた計画地です。

建築基準法と条例のチェック:風致地区の強い規制

石神井公園の集合住宅:計画地(新建築紀行)

たくさんの木に囲まれた計画地です。

石神井公園の集合住宅:計画地(新建築紀行)

石神井公園には有名な大きな池があって、ボートもできます。

都内有数の大きな公園である石神井公園に隣接している計画地。

そのため、強い法規制がかかっています。

建築を設計する際に最も大事なのは、建築基準法に関する諸法規です。

この法律によって、建築面積・延床面積(容積率)・高さなどが制限を受けます。

石神井公園の集合住宅:計画地(新建築紀行)

この計画地で強い規制があったのは「風致地区」の規制です。

風致地区

・都市の風致(樹林地、水辺地などで構成された良好な自然的景観)を維持する

・良好な自然的景観を形成している区域のうち、土地利用計画上、都市環境の保全を図るため風致の維持が必要な区域

非常に大事で広大な自然景観を持つ石神井公園。

この地には、強い風致地区としての指定が練馬区によってされていました。

中でも、強い規制があったのが建蔽率でした。

建蔽率は約40%に制限されるため、非常に強い法的規制となります。

マンション・集合住宅建築の際は、

不動産会社A

出来るだけ、床面積・容積率一杯に
設計してください。

「出来るだけ容積いっぱいで」と要望を受けます。

大きな床面積を持つ建物を建てるには大きな費用がかかりますが、大きいほど経済効率が良くなるからです。

そのため、建築面積・建蔽率は「あまり配慮する必要がない」のが実態です。

Yoshitaka Uchino

建蔽率40%とは、
非常に厳しい・・・

地鎮祭:「建築開始!」の強い気持ち

石神井公園の集合住宅:地鎮祭(新建築紀行)

あまりに強い法規制のため、紆余曲折がありましたが設計が完了し、建築確認申請等の申請が終了しました。

いよいよ「森に囲まれた」計画地で、集合住宅建築が開始します。

石神井公園の集合住宅:地鎮祭(新建築紀行)

地鎮祭の開催は、春先の桜満開の時期でした。

石神井公園と広い寺院に隣接した、非常に緑豊かな計画地です。

石神井公園の集合住宅:地鎮祭(新建築紀行)

地鎮祭が始まります。

いつになっても、地鎮祭は本当に気が引き締まります。

Yoshitaka Uchino

「これから建築が始まるぞ!」と
気合が入ります。

石神井公園の集合住宅:地鎮祭(新建築紀行)

この素晴らしい土地で、地上5階建ての集合住宅(マンション)を建築します。

次回は、配置を決める「レベル設定」です。

次回は上記リンクです。

竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。



新建築紀行

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