木の温もりが感じられる商業施設の新築設計・デザイン 1〜対の切妻屋根のデザイン・ボリュームを分割・余白の空間を活かす・二つのボリュームの間の空間〜|東京の建築設計

前回は「山の中の木のホテル:設計コンセプト②」の話でした。

目次

木の温もりが感じられる商業施設

Twin Gable(新建築紀行)

こんにちは。

現在計画を進めている商業施設の設計に関して、ご紹介したいと思います。

郊外の比較的ゆとりのある計画地に、

木の温もりが感じられる、
商業施設を設計して下さい。

と依頼を頂きました。

設計・監理のご契約を頂き、所内で色々とディスカッションします。

この計画地には、
木造の雰囲気がいいね。

切妻屋根のデザインに
しましょうか。

今回は、私たちにとって馴染み深い家形の、切妻屋根の形で設計案を進めることにします。

大きな切妻屋根を、
架けて検討してみようか。

模型で
検討します。

まずは、敷地に対して1棟の建物で計画しました。

一棟では建物の大きさから考えて、屋根が大きくなり過ぎるとなりました。

ちょっと
屋根が高いですね・・・

切妻屋根の場合、建物の大きさと天井高さのバランスが大事になります。

対の切妻屋根のデザイン:ボリュームを分割

Twin Gable(新建築紀行)

一棟ではなくて、
2棟で構成する空間を考えてみよう。

2棟で模型を
作ります。

2つの棟に分けて計画した方が、全体的なバランスが取れるデザインになりました。

まずは同じボリュームで、細長い建物を2つ平行に配置します。

次に、その2棟に変化をつけて検討します。

全く同じ2棟ではなくて、
屋根の勾配を変えてみようか。

それは
面白そうですね。

そこでボリュームは同じとしながらも、勾配に緩急をつけた2つの種類の切妻屋根を架けます。

高さの違う建物とすることで、空間に変化がでます。

天井の高さが違うだけでも、違う印象となります。

Twin Gable(新建築紀行)

空間の高さを考える上で

平面的な広さに対して、丁度いいと感じる適切な天井高が定義されています。

またプロポーションとしても、感覚的に美しいと感じる勾配具合を探します。

立体的に検討しながら、建築の形を決めます。

これくらいの違いがある
勾配なら、バランスもいいね。

デザインの大枠が
決まりましたね。

余白の空間を活かす:二つのボリュームの間の空間

Twin Gable(新建築紀行)

次に2棟にしたことによる、建物の間の空間に着目します。

棟と棟の間にも、
空間をつくり出すことが出来ますね。

そうだね。
この部分も活かした設計を考えよう。

棟と棟の間にできる空間をデッキで繋げて半外部半内部のような場所を計画します。

また、勾配屋根に沿って梁を架け、その梁を外部まで伸ばします。

そして、デッキの空間に梁の影が落ち、木漏れ日が降り注ぐような空間を演出します。

Twin Gable(新建築紀行)

更に、建物内部にも自然を取り込む案を検討します。

ゆとりのある敷地を活かしたデザインを考えました。

ゆったりとした雰囲気で、

どこにいても、
自然を感じられるような空間にしたい。

と思い、建物の内部空間に、コンパクトな光庭をつくり、光を取り込む案を考えます。

Twin Gable(新建築紀行)

買い物をしながら、
くつろげるような空間にしよう。

光庭のデザインと配置が、
ポイントですね。

全体を木調とし、光庭に樹木を植え、木に包まれた柔らかい空間を表現します。

楽しく買い物をしながら自然に触れ、心が豊かになれるような施設を目指しています。

基本的な設計・デザインが決まり、建主に模型とCGをお見せして、ご説明します。

これは
良いですね!

ショッピングをするだけではなく、
お客様にリラックスした場所を提供出来ます。

設計案を気に入っていただいたので、今後は基本計画から詳細設計に進めていきます。

建主の意見やその土地の環境から、私たちならではの設計をこれからも提案していきたいと思います。

新建築紀行

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