前回は「蚕糸の森アパートメント 3〜試験練り 1〜」の話でした。
今回は、工場で作成したコンクリートの品質チェックです。
コンクリートが練り上がりました!
いま出来たばかりのコンクリートを、コーンという容器に詰めます。


「コンクリートがどの程度柔らかいのか」を
測定・確認する作業です。
コンクリートはある程度柔らかい方が、打設が上手く行きます。
それはコンクリート型枠の中にコンクリートを流し込みますが、中には鉄筋が入っています。
構造的に重要な部分や、構造的に少し無理をしている場所などは、非常に鉄筋がたくさんあります。
鉄筋がたくさんある部分は、骨材という石もあるコンクリートがうまく回らない可能性があります。
今回は、階段の段板が化粧型枠コンクリート打ち放し仕上げです。



コンクリートの品質には、
特にこだわりたいと思います。


建築家の安藤忠雄は若い頃からコンクリートに関して研究し、あの「安藤コンクリート」に至ったのです。
うまくコンクリートが回らない場合は、ジャンカなどコンクリートが欠損した状態で固まる可能性があります。
多少のジャンカであれば、構造的には大きな問題はありません。



コンクリートは美しく・頑丈に
打ちたいものです。
一方で、コンクリートが柔らかすぎると、風化して劣化しやすいコンクリートとなってしまいます。



コンクリートは柔らかすぎても、硬すぎても
望ましくないのです。
そこで、コンクリートの硬さを判断するために、スランプという基準があります。
先程、特殊な容器に入れた状態で、ゆっくりと持ち上げます。


容器の中に詰められていたコンクリートが、フニャッと沈みました。
ここで、「どの程度下がったか」が問題となります。


下がった高さを測定した結果、OKです。
最後に、コンクリートの強度を測定しますが、これはコンクリートをある期間放置し、固まった状況で破壊試験を行います。
今、出来たばかりのコンクリートを容器に詰めます。


詰めたコンクリートは、乾燥しすぎないように、水の中に入れて、しばらくの期間を待ちます。


この後しばらく期間を置いた後、工場で破壊試験を行い、報告書が届きます。
その報告書の数字が規定を上回っているかを確認し、実際のコンクリート打設となります。



打設前の丁寧なコンクリート作成の姿勢が
大事です。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。