前回は「蚕糸の森アパートメント 1〜その始まり〜」の話でした。
今回は、地業工事の話です。
この建築は地下があり、倉庫等だけではなく、趣味のための部屋があります。
ドライエリア等がなく、「居住スペース」ではないものの、滞在する地下空間です。
短時間といえども、人が滞在して過ごす空間です。

一定レベルの居住性能が、
確保されなければなりません。
漏水等は、決してあってはいけないことで、結露なども防がなければなりません。
これらを「密実に打設する、鉄筋コンクリートの性能のみに頼る」ことは理論的には可能です。
しかし、実際の施工としては、かなり高い難易度です。


鉄筋コンクリート造の壁の内側に熱い断熱材を吹き付け、さらに内側にボードを貼って、二重壁をつくる工法もあります。
二重壁の内側が結露しても、表面側には結露を出さないことで、結露対策となります。
コンクリートを密実に打設することで漏水は防げるとしても、結露は発生しうるのです。
「結露が発生する」ことを前提とし、二重壁の下部に結露水の通り道をつくり、結露水を排出する仕組も考えられます。
この建築では、大掛かりな二重壁をつくらず、上階と同様の断熱施工とすることにしました。
建設会社は鉄筋コンクリート造において、大変優れた技術を持つ会社でした。



その高い施工能力に、
期待したこともあります。
丁寧に建築工事を進めます!
さて、通常よりもさらに高い精度のコンクリートを打設するためには、完璧な地業工事が必要です。


丁寧に土を掘り、地下のボリュームが作られる部分を確保します。
土を搬出するのはかなりの労力が必要で、現場の方々は大変な苦労です。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。