前回は「デザインとコストダウンのアイデア 5〜茨城の家の軸組 3〜」の話でした。

構造のコアを作ることで、耐震性能を高めるとともに、梁せいを抑える構造計画としました。

梁せいを出来るだけ、均一にしましょう。
シンプルになって、コストダウンになりますね。
木造軸組のコストは、大きくは木材の容積・体積である「材積」で決まります。
梁せいを抑えることは、「材積を小さくする」ことにつながり、コストダウンになります。
しかし、このコストダウンは、「小さくなる材積」の全体に対する割合が軽微なため、大きな影響にはなりません。
工事で大事なことは、材料の質や量に目が行きがちですが、実は「工事する方々の費用」も大事な要素です。





梁せいを出来るだけ均一にして、
工事を合理化しよう。



工事が、しやすくなりますね。



梁せいを出来るだけ均一にすると、
設計も合理化できる。
設計の際には、仕上げて作る空間だけでなく、配管や配線の計画も大事です。
特に、木造戸建住宅では、レンジフードなどのダクトの通る経路を考えることが大事です。


コア周囲には、筋交を沢山入れました。
このコアで、頑強に建築を支えます。
こうして、構造設計担当者から、柱・梁などの構造部材のサイズの変更が行われるたびに、図面が送られてきます。



だいぶ均一化できてきた。
構造上、「どうしても大きな梁が必要」な部分はありますが、出来るだけ「梁せいを揃える」ことに成功しました。


今は、柱・梁はプレカットと言って、工場で機械が製作するので、梁の大きさは「入力するだけ」です。
ですから、「構造のシンプル化」によって、柱・梁のコストは大きくは下がりません。
しかし、工事を請け負う建設会社としては、シンプルな方が良いのです。
そして、「シンプルで管理しやすい」工事であれば、検討すべき事項も少なくなり、省力化につながります。



構造の合理化・シンプル化で、
コストダウンできた。
構造だけでなく、工事全体に対しても、コストダウンとなり、大きな合理化が出来ました。