前回は「デザインとコストダウンのアイデア 3〜茨城の家の軸組 1〜」の話でした。

1階のリビングは、3間半x4間半の空間です。
木造個人邸の感覚では、「かなり広い」です。
このリビングには、できるだけ柱を少なくしたいと思いました。

2階の床を支える端部には、柱を入れる必要があります。
「リビング内部に柱一本」で考えると、梁を大型にすれば、構造は成り立ちます。
しかし、梁が大きくなり、集成材が増えるとコストが、かなり上がります。

梁が大きくなりすぎると、2階の床の厚さが大きくなる。



不合理で、建築のボリュームが大きくなるので、
できるだけ、もう少し梁を小さくしたい。
柱を、もう一本入れるのは、
どうでしょうか?


そこで、「柱をもう一本追加」する方向で、デザインを考えました。



デザインに活かせるよう位置に、
柱を入れたい。
リビングの一角には、和室を作りました。
この「小さな和室の設置」は建主の希望でした。
そして、広いリビングに、少し床レベルが上がった和室を作って、空間を異化することを意図したのです。


この建築のデザインテーマは「様々な吹き抜けから、変化する自然の光をすくいとる」です。
吹き抜けの一つは、「北側の優しい光を、さらに砕いて、柔らかな光を1階に届ける」役割を持ちます。
この「北側の優しい光」を受け取る1階のリビングには、日本的空間の象徴である和室が、最適でした。



和室の一角に柱を入れて、
デザイン性を高めたい。
こう考えて、和室の角に柱を立てることを考えました。