前回は「模型を作ってデザインを進化〜ガレージと住宅を一体化・デザインを統一・部分と全体のイメージ・模型を眺めてデザインを展開〜」の話でした。
子どもたちが書物に親しめる大きな木の本棚
設計の基本コンセプトが固まり、建主の様々な要望に合わせて具体的な設計を進めてゆきます。
住宅の模型は
1/50のサイズが多いですが・・・
今回は1/30の
大きなサイズの模型を作りました!
大きな模型はとてもよく分かります。
熊本の家では、全ての家具・建具は既製品ではなく、私たちがデザインした特注製品です。
壁面に沿って、
大きな本棚をつくりました。
子どもが多い熊本の家では、大きな木の本棚をつくって「子どもが書物に親しめる」空間づくりを心がけました。
本棚の一角には木製の机を配置して、子どもたちが、
ちょっと、
ここで本を読みたい!
この机で
宿題を終わらせよう!
など広い学びができることをイメージしました。
私たちは、住宅や集合住宅で
大きな木製本棚をつくることが多いです。
床から天井までの本棚は、
たくさん本が入って、子どもたちに喜ばれます!
空間のイメージを表現:アクソノメトリックとパースペクティブ
内部空間をもう少し表現したアクソノメトリック・パースペクティブは、建主にも分かりやすく、イメージしやすいです。
模型同様、パースには人を入れるとスケール感が出て、空間のイメージが分かりやすくなります。
スケール感と雰囲気が、
グッと強く表現されます。
熊本の家では、2階のテラスで子どもたちが遊ぶイメージがありました。
「子どもたちが遊んでいる」雰囲気を
表現しています。
アクソノメトリックは、空間構成がよく分かります。
ここでは、壁面一つを消して表現しています。
「1階リビングと2階の廊下(道空間)をつなぐVoidがどのようになっているのか」を検証します。
コンセプトを、模型とはまた違う角度から、考えることが出来ます。
これらの図面は、
作品のコンセプトを明確に表現します。
作成して、「作品のConceptを再検証する」ためにはとても役立ちます。
デザインコンセプトが明快なコンセプト模型
リアルな模型とは大きく異なる「コンセプトメイン」のコンセプト模型を作りました。
様々な建築的要素を削ぎ落として、「デザインコンセプト」を強く表現するコンセプト模型。
コンセプト模型は、コンセプトを表現するには最も適していると思います。
熊本の家の最も大きなコンセプトの
「外部ヴォイド=テラス」を強く表現しました。
一目見て、「あ、こういう建築なんだ」と
分かるように心がけました。
配置図には、方位の向きを基にしたグリッドを併記しました。
グリッドは、建築の中心の空間も
暗示します。
設計中・あるいは工事中に作成すると、より設計が発展します。
現実的には、納まりやコストの調整等で手一杯となり、難しいのが実情です。
こういう図面を作成してみた後は、自分の頭の中でイメージを作って、楽しみながら設計を進めます。
頭の中で、デザインを
再確認してゆくのも良いですね。
このように、リアルとコンセプトを行き来しながら、デザインを進化・深化させてゆきました。
次回は上記リンクです。
完成写真は、下記からご覧ください。