デザインコンセプトが明快なコンセプト模型〜空間のイメージを表現・アクソノメトリックとパースペクティブ・子どもたちが書物に親しめる大きな木の本棚〜|熊本の家のプロセス5・東京の建築設計

前回は「模型を作ってデザインを進化〜ガレージと住宅を一体化・デザインを統一・部分と全体のイメージ・模型を眺めてデザインを展開〜」の話でした。

目次

子どもたちが書物に親しめる大きな木の本棚

熊本の家:1/30模型(新建築紀行)

設計の基本コンセプトが固まり、建主の様々な要望に合わせて具体的な設計を進めてゆきます。

住宅の模型は
1/50のサイズが多いですが・・・

今回は1/30の
大きなサイズの模型を作りました!

大きな模型はとてもよく分かります。

熊本の家:1/30模型(新建築紀行)

熊本の家では、全ての家具・建具は既製品ではなく、私たちがデザインした特注製品です。

壁面に沿って、
大きな本棚をつくりました。

子どもが多い熊本の家では、大きな木の本棚をつくって「子どもが書物に親しめる」空間づくりを心がけました。

新建築紀行
熊本の家:リビング(新建築紀行)

本棚の一角には木製の机を配置して、子どもたちが、

ちょっと、
ここで本を読みたい!

この机で
宿題を終わらせよう!

など広い学びができることをイメージしました。

私たちは、住宅や集合住宅で
大きな木製本棚をつくることが多いです。

床から天井までの本棚は、
たくさん本が入って、子どもたちに喜ばれます!

空間のイメージを表現:アクソノメトリックとパースペクティブ

新建築紀行
熊本の家:パースペクティブ(新建築紀行)

内部空間をもう少し表現したアクソノメトリック・パースペクティブは、建主にも分かりやすく、イメージしやすいです。

模型同様、パースには人を入れるとスケール感が出て、空間のイメージが分かりやすくなります。

スケール感と雰囲気が、
グッと強く表現されます。

熊本の家では、2階のテラスで子どもたちが遊ぶイメージがありました。

「子どもたちが遊んでいる」雰囲気を
表現しています。

新建築紀行
熊本の家:アクソノメトリック(新建築紀行)

アクソノメトリックは、空間構成がよく分かります。

ここでは、壁面一つを消して表現しています。

「1階リビングと2階の廊下(道空間)をつなぐVoidがどのようになっているのか」を検証します。

コンセプトを、模型とはまた違う角度から、考えることが出来ます。

これらの図面は、
作品のコンセプトを明確に表現します。

作成して、「作品のConceptを再検証する」ためにはとても役立ちます。

デザインコンセプトが明快なコンセプト模型

新建築紀行
熊本の家:コンセプト模型(新建築紀行)

リアルな模型とは大きく異なる「コンセプトメイン」のコンセプト模型を作りました。

様々な建築的要素を削ぎ落として、「デザインコンセプト」を強く表現するコンセプト模型。

コンセプト模型は、コンセプトを表現するには最も適していると思います。

熊本の家の最も大きなコンセプトの
「外部ヴォイド=テラス」を強く表現しました。

一目見て、「あ、こういう建築なんだ」と
分かるように心がけました。

熊本の家:配置図(新建築紀行)

配置図には、方位の向きを基にしたグリッドを併記しました。

グリッドは、建築の中心の空間も
暗示します。

設計中・あるいは工事中に作成すると、より設計が発展します。

現実的には、納まりやコストの調整等で手一杯となり、難しいのが実情です。

こういう図面を作成してみた後は、自分の頭の中でイメージを作って、楽しみながら設計を進めます。

頭の中で、デザインを
再確認してゆくのも良いですね。

このように、リアルとコンセプトを行き来しながら、デザインを進化・深化させてゆきました。

完成写真は、下記からご覧ください。

新建築紀行

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