前回は「設計とデザインの実務の流れとコンセプト〜最も大事な最初のイメージ・計画地を見て感じること・建主の要望とコンセプト〜」の話でした。
基本コンセプトから発展するイメージ
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熊本の家の基本コンセプトが決まりました。
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外部のテラスのヴォイドが
この建築の中心です。
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そして、外部ヴォイドのテラスから、自然の光と風が内部空間を駆け巡ってゆくイメージです。
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シンプルな箱型の建築から、
外部ヴォイドを欠きとったイメージです。
このヴォイドによって、建築に新たな生命が生まれます。
そして、この基本コンセプトからイメージを膨らませて、デザインを発展させてゆきます。
テラスを都市に伸ばす:街に働きかける建築
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熊本の家の計画地は、熊本ならではの特色があり、阿蘇山が見えます。
ただ、阿蘇山は敷地に対して東側ですから、テラスからは見えません。
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ヴォイドを東側に向ければテラスから阿蘇山は見えますが、自然の光を最大限に受け止めるために、南向きとしました。
そして、建築の外観デザインとしても、道路側からヴォイドが見える方がデザインが際立つと考えました。
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2022/06/HKP01a.jpg)
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2022/06/HKP01a.jpg)
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テラスから阿蘇山を
臨めるようにしたい。
そこで、外部ヴォイドとしてのテラスを南側に少し伸ばしました。
突き出したテラスからは阿蘇山や周辺の街並が見えて、様々な視界が開けます。
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外部テラスの空間に、
新たな意味が生まれますね。
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またテラスを都市・街に伸ばしたことで、建築と都市の関係性が深まります。
「都市・街に働きかける建築」のイメージです。
そして、テラスの空間が活性化されます。
白い板がひらりと浮遊したようなガレージ
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2022/06/HK_m32m.jpg)
![新建築紀行](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2022/06/HK_m32m.jpg)
建主の要望で、「2台分のガレージ」が必要でした。
ガレージによって、「白い箱に外部ヴォイド」のデザインが損なわれてしまわないように考えました。
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ガレージの白い屋根を、
デザインに活かしたい!
そこで、ガレージを建築と一体化させ、白い板が浮いたようなデザインにしました。
この白い板は鉄骨の柱で支えられますが、本体の建物でも支持しています。
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2022/06/14HK-p04ma.jpg)
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建物南側に配置された庭は、太陽の光が燦々と注ぎます。
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/05/Muraki23.jpg)
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お庭は、とても気持ち良い空間
になりそうですね。
出来るだけオープンな感じにしたいのですが、やはり前面道路とは少し区切りたいです。
小さなお子様がいらっしゃるので、子どもが道路に行ってしまわないような配慮が必要でした。
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子どもは、予期しない行動を取ることが
ありますね。
そこで、南側にはコンクリート打ち放しの壁面を配置しました。
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2022/06/HKP104ma.jpg)
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庭と外部空間を強く、そして少し柔らかく区切り、プライバシーと安全性を確保しました。
![](https://a-voyage.net/wp-content/uploads/2023/04/2304YU01.jpg)
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これで、設計の基本的なアイデア・イメージが
固まりました。
主要な部屋を配置して、必要に応じて廊下・経路を作ります。
設計の際は、「ただ部屋に至るだけの廊下」は作らないようにしています。
廊下の空間は「道空間」と考え、歩いていて楽しい空間づくりを考えています。
熊本の家でも、道空間をテラスのヴォイドの周囲に配置して、「歩いて楽しい」空間にしました。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。