前回は「山の中の木のホテル:設計プロセス②〜大自然の中の建築イメージ・群造形の建築デザイン・柱梁のグリッド構造と片流れの構造デザイン〜」の話でした。
大自然の中の開放的な木造空間
大自然の中にある「山の中の木のホテル」の最も大事なコンセプトは、
「大自然の中の開放的な木造空間」
です。
ある程度の客室を備えるホテルですが、ボリュームを分割して五つの建築に分けました。
五つのボリュームの建築群をデザインするにあたり、「建物と建物の間の空間」を活かすことを考えました。
内外共に木の質感の
建物です。
建物と建物の間の外部空間は、建物の外壁によって囲まれます。
外部の自然の樹木を楽しみながら、
建物の優しい木質空間を味わえます。
この外部空間を「開かれた広場」のようなイメージで考えています。
木質のおおらかな客室のイメージ
今回の建物はホテルなので、日常の住まいとは少し異なるデザインとします。
プライバシーも確保しながら、住宅よりも開放的なつくりとしています。
大きな窓で、
外部の自然を取り込もうと思います。
私たちが設計する建築は、内部空間から空や自然が楽しめるように考えています。
室内から
空の空間が見えるのは素敵ですね。
室内から、樹木や空がどのように見えるのかをスタディして、開口部の位置やサイズを決定します。
窓をとれるところは大きく、外部とのつながりも重視しています。
天井も勾配をとり高めにすることで、空間に広がりが生まれます。
「地域に開いたホテル」のコンセプト
一つ一つの客室はゆとりあるタイプとなります。
そこで、基本的にはファミリーを対象と考えています。
旅ならではの開放感を
持って過ごして欲しい。
大人も子供も自然の中で、
のびのびと過ごしてほしい。
建主の考えに共鳴し、デザインを進めてゆきます。
メイン棟では、受付やレストラン、ショップの他にワークショップなどを開催します。
「地域に開いたホテルとなって欲しい」
というコンセプトです。
あの棟で、
今日のイベントをやっているんだ!
このように様子がわかりやすいように、客室棟よりも大きな窓としています。
ホテル敷地内の、外部空間も積極的に利用してもらえる様な設計としています。
この地域の緑を守る為に、植樹体験を出来るスペースや
自然の中で思い切り体を動かす、プレイパークのような計画をしています。
少し贅沢な非日常空間を楽しみながら、
地域に親しまれるホテルを目指します。
そして、地域と共にホテルと建築が成長してゆくイメージです。
吉祥寺の集合住宅(Forests of Grids)は、住まい手が楽しむ中庭の樹木が、外部からも見えます。
建築と自然と都市・地域が
つながってゆくといいな、と思います。
これから、設計を詰めてゆき、実施設計を進めてゆきます。
そして、工事会社を選定し、費用も考慮しながら調整を行います。
次回は上記リンクです。