前回は「幼稚園リノベーションの耐震改修:設計プロセス②」の話でした。

みそら幼稚園リノベーションでは、耐震改修の最重要ポイントがありました。

「ぶ厚い鉄筋コンクリートの壁=耐震壁」を
どこに配置するか・・・



それが設計上、
非常に大事でした。


園児たちの環境を考えると「出来るだけ壁を少なくして、自然の光や眺望を妨げないようにしたい」です。
構造設計者に「出来るだけ壁を追加せずに、必要な耐震強度を確保する設計」を検討するように依頼しました。
しかし、「最低限の壁を追加しなければ、耐震性向上は難しい」との回答です。


鉄筋コンクリート造においては、柱と梁だけで必要な耐震強度を確保する構造形式もあります。
既存の構造を改修する上では、それは不可能だったのです。


そこで、コンクリートの壁を追加する場所を、図面と模型を使って、様々シミュレーションしました。
その結果、「コンクリートの壁を追加する最も良い場所」を考えて、幼稚園の園長先生にご提案しました。





それは「現在ある壁を一度取り壊して、
延ばして耐震壁にする」ことです。



「壁が増えない」ので
最も良いですね。
模型をつくって検証し、設計案に自信をもって園長先生たちにご提案したのでした。
完成写真は、下記からご覧ください。