前回は「戸建住宅の工事現場のプロセス:コンクリート打設〜柔らかいコンクリートの化学反応・アンカーボルトやホールダウンなどの金物〜」の話でした。
木造軸組が一日で組み上がる上棟・建前
今回は、いよいよ木造の柱・梁が。1日で立ち上がる上棟・建前です。
クレーン車が来て、柱と梁を一気に組み上げてゆきます。
この日は大工さんと一緒に、サッシュ業者・電気業者・配管業者など職人さんが大勢来て、手伝います。
筆者が仕事を始めた2004年頃は、地方では柱や梁を大工さんが一生懸命、一本一本手で加工していました。
「茨城の家」の時は、鉄筋を現場で加工している職人さんがいました。
今は、正確さ・価格面での優位性で、ほとんど機械加工の「プレカット」による柱と梁です。
機械で正確に制作された柱と梁を、上棟前日から現場に搬入します。
建物が組み上がって行く様子は、
とても感動的です。
柱と梁による「建築の原初の姿」:模型のリアリティ
そして、一般的な木造2階建の規模の建築なら1日で組み上げます。
「建築の概形」が、一気に出てきます。
柱と梁による「建築の原初の姿」が現れる瞬間です。
柱が整然と立ち並び、場所によって様々な大きさの梁せい(高さ方向の長さ)の梁が組み上がります。
合理的に・シンプルに設計して、梁せいは出来るだけ統一しました。
スパンが飛ぶところは大きな梁せいです。
茨城の家の上棟と、比較してみましょう。
片流れ屋根の建築の形に合わせて、登り梁があった茨城の家。
豊島の家はフラットルーフのシンプルな箱のデザインなので、軸組も箱型です。
1階のリビングです。
大きな吹き抜けのある建築で、その様子が上棟すると分かります。
上棟の時は建主にも出来るだけお越しいただいて、一緒に見ていただきます。
建主も、
我が家が出来てくるのを
見るのは嬉しいですね。
建物は、
こうなっているんだね。
模型やCGでご説明した空間を、実物で肌で感じ実感してくれていました。
私たち設計者も、上棟の際に
空間の構成・スケール感を再確認します。
そして、これから本格化する現場監理に向けて、準備します。
次回は「上棟とイメージ」の話です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。