前回は「リノベーションの現場塗装とサンプル〜サンプルを見て検討・建主との打ち合わせ・梁にサンプル塗装して比較・古い木材と新しい木材の対話〜」の話でした。
難しい「跳ねだし階段」の工事
リビングと二階をつなぐ階段は、開放的な跳ね出し階段です。
跳ね出し階段をつくるのは、実は結構大変です。
70kgの人が、階段を上がったり降りたりする際を考えてみましょう。
その人が、片足を跳ね出しの先端部分に載せる場合、段板には相当なモーメントがかかります。
跳ね出し階段の作り方は、設計の際に工務店の担当者と綿密な打ち合わせしました。
フラットバーなどの鉄を使用することも考えました。
そのために9mmくらいの薄い鉄板を芯材にして、両側に12mmの木を貼ることも考えました。
その場合、合計33mmの「木の段板」に見えます。
階段は玄関に面しているので、
優しい木の雰囲気を
生み出したい・・・
表も裏も木で、
仕上げているように見せたい。
「木で完全に仕上げる」ことを考えました。
できれば30mmの集成材をつかって、
木だけで、
跳ね出し階段をつくりたい!
実際には、木材で「大きなモーメントに対抗する」のは、なかなか難しい面があります。
「てこの原理」でシンプルに施工
スチールを使わずに、
木だけでうまく跳ね出しを作れないかな・・・
そこで、現場担当者と工事現場で、様々な打ち合わせをしました。
てこの原理を応用できれば
良いと思うのですが・・・
現場の大工さんと色々とアイデアを相談します。
段板の先端に、
大きな荷重(力)がかかる可能性を考慮して・・・
跳ね出しの根元を、
強く抑えればいいのでは・・・
このような「てこの原理」を利用した合理的発想に至りました。
この発想で、工事を進めることになりました。
ものづくりをしている大工さんならではの、
合理的な発想です。
木でガッチリ段板を、押さえ込んでいます。
戸建住宅リノベーションで階段の位置を変更
これで300mmの比較的大きな跳ね出し階段を、純粋な木だけで作成することができました。
玄関側からみた状況を確認すると、
やっぱり木だけで作って、
良かったです。
木の優しい雰囲気が、
表れていますね。
きれいな跳ね出し階段が
出来ました。
次回は、テラス=外部リビングの工事の話です。
次回は上記リンクです。
竣工写真は、下記サイトをご覧下さい。